れてんくん、、、 1話 〜れてん〜

辛い思い出は、蘇る…永遠に…

もしも……。

もしも、君が僕を…僕が君を…


当たり前の友達、当たり前の学校、当たり前の……。全て当たり前の何かを求めていた。手にできない何かを求めていた。


あの時、クラスの人にいじめられなければ……。保健室登校なんて起こらなかった。でも、後悔をしても何も変わらない…だって、僕はもう……。


当たり前の何か、それが保健室だった。


いつもプリントを持ってきてくれる子がいた。その子は、人並み以上に可愛いという訳では、なかったが少し可愛かった。こんな僕にもプリントの説明をしてくれたり、勉強を教えてくれた。その子は、優しくて一緒にいるだけでほわほわした。その子は、僕のことを好きだと思い込んでいた。クラスでその子は、どうなのかも知らないのに……。その年の秋、風の噂でその子が付き合っていると知った。だが、その子は、僕に優しく、勉強を教えてくれる。きっとこの子は、誰にでも優しい系女子なんだと感じた。罪深い……。ただただ僕は、悔しさと悲しさを感じていた。

もしも……。

君が僕を好きで、僕が君を好きになっていたらどうなっていたかな……。

長かった1年が終わったが、得た知識は、「誰にでも優しい系女子」は罪深いってことだけだった。


人を好きになる、それは、大切なことだ。しかし、それは時によっては、身をけずる凶器にもなりうる。人を好きになるのなら、価値観が同じで、話しが合い、一緒に居て楽しい人を好きになることが大切だと思う。


好きな人は、無理をしなくても近くにいるはずだから……。

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