第2章 遭遇

すると、そこには、何故か広い草原が広がっていた。


そして、その草原の視界で見えるギリギリの辺りに、その店は立っていた。


建物なのだから、「建っていた」が、正しいはずである。


しかし、俺が見て感じたのは、まさに、そこに「立っていた」だったのだ!


俺は、十数分かけて店の前にたどり着いた。


一体ここはどんな店なのだろう?


俺は、胸を膨らませながら、思い切って、ドアを開けた。


カランコロン。


客の入店を知らせるベルの音が、店内に響き渡った。


しかし、店員らしき者は、誰も出て来ない。


店の壁にあるメニューを何気なく見てみると、

そこには見慣れない文字で、

コーヒー レギュラー 一杯 170φ(ファイ)と

書いてあった。


どこの国の通貨だ?

持ち合わせがないぞ!

どうしようか?


そう思っていたら、カウンターの内側に浮かんでいた赤い風船が、こちらに流されて来た。


すると、突然、頭の中に声が鳴り響き、「初めてのお客様ですね?今日は一杯無料でサービスしますよ」と言った。


風船 「私は『赤い丸』と申します。この店のマスターをしております」


俺には、信じられない光景が目の前で繰り広げられていた。


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