第29話 転校する? しない? (11)

 それなのに俺の両親は我慢をしたって……。じゃ、お前等夫婦は俺がいない時にはどれだけ吠え、叫び、鳴いているんだよ! と。俺が自身の両親へと、息子の優しさと言う奴で、下の二人にばれないように悪態をついていると。


「方針で考えようよ」


 家の親父様が、俺の想いが叶いそうな言葉をお袋様へと告げ始めた。


 だから俺は『よし!』だよ。自身の脳裏でガッツポーズを決めつつ呟けば。


「うん、そうね。そうしましょう。あなた……」


 家の親父さまの言葉を聞き、何だかんだと言ってもお袋様は未だ三十歳過ぎたばかりだから、大変に嬉しそうな声を漏らすから。


(お袋、よかったな……。親父と仲良くするんだぞ!)と、俺は自身の腕を組み──。


「うん、うん」と俺は、頷きつつ首肯をするのだった。



 ◇◇◇


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る