第12話 俺には幼馴染で、何故か気の合うあいつ、友人がいるから(1)

「しくしく」、


「……ん?」と。


「ああ、それならば大丈夫よ。あなた?」だ。


 家のお袋様が、泣くのを辞め、親父様へと言葉をかけると。


「ぐすん、ぐすん」と、夫婦仲良く泣いていた親父様が、「ん? どうしてだ、母さん?」と首を傾げる。


「ああ、だって新作と同じクラスには、近所のあの子! ガキ大将だった、あの子! 健ちゃんがいるから。新作は真面目な子でも、クラスの悪い子達に、また中学校同様に虐められないんだって。新作が私に教えてくれたの」と。


 まあ、この夫婦の会話は、前回の話しの続きになるのだけれど。


 そう、俺のような頭が悪く、偏差値も低い癖に。中学校での素行……。制服の乱れとカバンの薄さは、心の乱れではないが、学校指定──。


 まあ、文部省推薦と言う奴の、ピチピチとした学生服……。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る