第2話 治療
「
「
「…。」
「少しは、目に見えるほどの
「15
「早ければ、明日、
「
「お主の
「その通り道のせいで魔力病になったの?その通り道を手術で取り出してしまえば、魔力病が治るんじゃないの?」
「
「じゃあ、どうしたら良いの?15
「
「本当?本当に遊びに行けるようになる?学校にも行ける?」
「きっと、行けるようになるであろうよ。今から行う
「分かった。
「では、始めよう。
「おっと、
「うん?ボール
「ならばこのままで良い。
「あっ。今、
「うまいぞ。お主、
「分かった。やってみる。ええっと…、あっ、今、暖かいものが左手に来た。
「そう。うまく
「分かった。やってみるね。暖かい物を
「もう少し
「やってみる。もっと下。おへその下まで
「いいぞ。上手だ。そのまま魔力を循環させるんだ。しばらく魔力を流して魔力の動かし方を覚えるのだぞ。おじさんは、もう、送り込みはしないぞ、お前が送って来たのを流すだけだ。良いな。滞らないように流し続けるのだぞ。」
「分かった。でも、これで、病気が楽になるの?」
「今は、薬のおかげでお主の魔力回路に滞っていた魔力は、流されて体に負担がかからなくなっているがな。薬を飲む前まで、お主の魔力回路には魔力が滞り、臓器に負担をかけていたのだよ。それが、魔力病なのだ。ひどい時には、臓器を腐らせ、死に至らしめることもある。そんな病気なのだ。お主の世界では、負担のかかった臓器をケアすることで魔力病に対処しているようだな。だから、15歳まで生き延びる必要があるのだ。魔力回路が成熟し、魔力の滞りを解消するためにな。」
「ええっ。じゃあ、やっぱり、ずっと苦しいままなの?15歳まで。」
「そうならないための、治療の練習なのじゃよ。いいか。今は、お主が体から出した魔力は、儂の体を通ってお主に戻っているな。」
「うん。そうだね。おへその下まで行ってぐるぐる回ってる。」
「では、儂がお主に魔力を返さなかったらどうなる?」
「僕の魔力が無くなっていく。」
「その通りじゃ。地球のお主の体は、今、魔力の通り道になっているおへその辺りに魔力が滞っておるのじゃ。その滞りを解消し、不必要な魔力を体の外に出すことができるようになるための練習で、不要な魔力を外に出すことができれば、魔力病は楽になるということなんじゃよ。」
「でも、地球におじさんはいないよ。誰と魔力を回す治療をやればいいのさ。」
「お主の父のができる可能性が最も高い。その次がお主の母親じゃ。まずは、父に治療の相手をしてもらうのじゃ。お主が右手から出した魔力を感じ取ってくれるはずじゃ。そして、お主の左手、父の右手から戻してもらう。父には、へその下まで魔力を回してもらう必要はないぞ。ただ、お主に返してもらえばよい。一番最初に、儂とお主がやったようにな。」
「でも、それじゃあ、僕の魔力は減らないよ。回るだけなんでしょう。」
「魔力を回すことができる様になったら、父の右手を離してもらえ。父に魔力が移るが、父の調子が良くなるくらいしか影響はないだろうよ。肩こりが良くなったと喜んでくれるのではないか。試してみろ。お主も、父も体調が良くなる治療法じゃ。」
「こうやって、父さんの右手を話すんだね。」
凜は、ロジャーの右手を振り払ってしまった。
「馬鹿者、急に離すのではない。お主は、魔力が滞ってはおらんのじゃ、急に話すと残り少ない魔力が…。」
ロジャーが言い終わる前に、凜は、気を失ってしまった。
「なくなって、意識を失ってしまうではないか。」
聞こえていない凜に向かって、話しかけるロジャーだった。
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