アイちゃんとわたし
もちづききなこもち
第1話 アイちゃんのおしゃべり
うちには2歳になるシャム猫がいる。
名前はアイちゃん。
元保護猫で縁あってうちにきた。
この子はとても人懐こい。
というか、少しでもそばを離れると後をついてくる。
洗濯物を干す時も、キッチンで夕飯の支度をしている時も、そばにいてくれる。
そしてじーっと私を見ている。
しかもアイちゃんはおしゃべりが上手だ。
「ネエ」「ゴハン(マンマ)」「デル」「オァヨー」「マー(ママ(私のこと?))」という感じだ。
とりわけ「ネエ」が多い。
何かしてほしい時に「ネエ」と言う。
お腹がすいた時、食べ終わった時、お手洗いをした時、遊んでほしい時、「ネエ」と話しかけてくる。
まあ、とにかくおしゃべりが上手なのだ。
少なくとも私にはそう聞こえる。
よく私もアイちゃんに話しかけている。
「アイちゃん、おはよう」
「今日はいい天気だね」
「お腹空いたね。すぐにご飯の用意するね」
など。
アイちゃんもよく返事をしてくれる。
またまたそんなわけないよと思うかもしれないが本当なのよ、これが。
呼び掛けると振り向くし、おいでって言えば来てくれるし、もしかしたらアイちゃんの中には小さな人が入っているのでは?と思うほど。
うちの家族も、まあ、アイちゃんアイちゃんとそれはそれはすごいかわいがりようで、アイちゃんも、アイちゃんの中の小さな人も、きっとニヤリとしているに違いない。
さてそろそろ、アイちゃんがちらちらとこちらを見ているのは、もうすぐ夕ごはんの時間だからだ。
きっと「ゴハン(マンマ)」とそろそろ言ってくるぞ。
はいはい。わかりましたよー。今日は何がいいかな?ささみにキャットフードと煮干かな?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます