アイちゃんとわたし

もちづききなこもち

第1話 アイちゃんのおしゃべり

うちには2歳になるシャム猫がいる。

名前はアイちゃん。

元保護猫で縁あってうちにきた。

この子はとても人懐こい。

というか、少しでもそばを離れると後をついてくる。

洗濯物を干す時も、キッチンで夕飯の支度をしている時も、そばにいてくれる。

そしてじーっと私を見ている。

しかもアイちゃんはおしゃべりが上手だ。

「ネエ」「ゴハン(マンマ)」「デル」「オァヨー」「マー(ママ(私のこと?))」という感じだ。

とりわけ「ネエ」が多い。

何かしてほしい時に「ネエ」と言う。

お腹がすいた時、食べ終わった時、お手洗いをした時、遊んでほしい時、「ネエ」と話しかけてくる。

まあ、とにかくおしゃべりが上手なのだ。

少なくとも私にはそう聞こえる。

よく私もアイちゃんに話しかけている。

「アイちゃん、おはよう」

「今日はいい天気だね」

「お腹空いたね。すぐにご飯の用意するね」

など。

アイちゃんもよく返事をしてくれる。

またまたそんなわけないよと思うかもしれないが本当なのよ、これが。

呼び掛けると振り向くし、おいでって言えば来てくれるし、もしかしたらアイちゃんの中には小さな人が入っているのでは?と思うほど。

うちの家族も、まあ、アイちゃんアイちゃんとそれはそれはすごいかわいがりようで、アイちゃんも、アイちゃんの中の小さな人も、きっとニヤリとしているに違いない。

さてそろそろ、アイちゃんがちらちらとこちらを見ているのは、もうすぐ夕ごはんの時間だからだ。

きっと「ゴハン(マンマ)」とそろそろ言ってくるぞ。

はいはい。わかりましたよー。今日は何がいいかな?ささみにキャットフードと煮干かな?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る