第7話 ⚪︎月×日

「落としましたよ」


自分だろうか。


さりげなく右脇を見る。


本がない。


こんな大きなものを落として気づかないとは。


恥ずかしながらも助かった。



後ろから声をかけられたからだろうか。


自分ではないのでは、と思ったからだろうか。


同窓会の日のことを突然思い出した。


最初こそ行ったことを後悔したが、10分後にはすっかり楽しくなっていた。


何を話したかは覚えていないが、帰り際の言葉は忘れられない。




「小型飛行機と一緒に飛ぶブッコローくんが好きでした。今でも飛行機を見るたび思い出します。付き合ってください。」




交際を経て結婚し、子宝にも恵まれた。


人生何があるかわからない。


今日も家族のために仕事を頑張ろう。


そう思い、再び歩き始めた。

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ミミズクの半生 @22tubaki

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