俺は「最強」だから

@renta00

第1話 はじまり

俺はよく同じ夢を見る。


それはあまりの輝きに、目が明かないほどの光り輝く世界の中。

誰かはわからない、けどどこか安心するような、そんな誰かが俺の頭をなでながらこういう。


「お前なら必ずできる、信じてるぞ。」


頭を撫でられた感触はほとんど感じないけど、それでもすごく心がポカポカする。優しく語りかけてくれるその誰かに向かって


「うん、俺頑張るよ!」


子どもに戻ったのかと思うくらい、ニコニコで俺は返事をしている。

そしてこの返事をしたタイミングでいつも目が覚める。


そんな夢。


このやり取りだけの夢を、俺は生まれて16年の間で両手では収まらないほどの回数見ている。心がすごく洗われた気がして活力も湧くので、定期的な心のメンテナンスとして俺の人生で欠かせないものになっている。


新学期が始まり、明日で高校生になる俺。


正直このご時世だし、不安なことがほとんどだけど、俺ならできるよね。


そう言い聞かせ布団に入ると、この日は驚くぐらいすぐ眠りにつけたのを覚えている。

こういう時、俺はいつもドキドキして遅くまで寝れないから次の日は睡眠不足という最悪のコンディションで臨んでいた。


けど今回は違うみたい、目覚めも最高に良い。


用意を済まして、ドアを開けると外はよく晴れた穏やかな春の陽気。


「夢の中みたいだな」


あの夢の中の世界のような煌めきが、春の日差しが目に見える全てを明るく照らすことで生み出していた。


俺は駆けだすような勢いでその輝きへ踏みだした。


それはこれから始まる新たな世界の一歩はじまりである。















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