第4話 マッドサイエンティスト婆さん

 ご飯の支度をする際、作る定番料理というものがある。

ひせ婆さんの場合は、それが味噌汁だ。

必ずと言ってもいい程、味噌汁を作る。

「いったい何故なのか?」

その理由が明らかになった日の話。


 スンイチは、仕事から帰宅し夕飯を食べ始めようとしていた。

テーブルの上には、白いご飯と野菜炒めが並んでいる。疲れた身体にはこれぐらいで丁度いい。

 箸を持ち、手を伸ばした時、ひせ婆さんから待ったがかかった。

「あんた、待ちな。味噌汁ついでやるよ」

「いや、いいよ。これだけで十分だよ。」

毎日出てくる味噌汁にうんざりしていたスンイチは断りを入れる。

しかし、ひせ婆さんは折れない。

「味噌汁飲むと頭が良くなるから飲みなっ」

訳のわからない迷信まで持ち出してきた。

「どんだけ飲ませたいんだよ。本当に頭が良くなるのかよ」思わず突っ込んでしまう。

「アタシは良くならなかったけどねぇ。かっかっかっ。」


——よくならなかったんかい!

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