第56話【1991年10月号の主な掲載作品】

《表紙》

・ドラゴンハーフ(表紙イラスト:見田竜介氏)


《巻頭特集》(カラーページ)

・特集1:ドラゴンハーフ

・特集2:バトルテックリプレイ

・特集3:幻超二特集

・特集4:・神の盾レギオン『獅子の伝説』


《小説》

・神の盾レギオン『獅子の伝説』(著者:六道彗氏、イラスト:鈴木雅久氏)(新連載)

 →異世界冒険ファンタジー。神の盾を巡る戦記物。

・スレイヤーズSP(著者:神坂一氏、イラスト:あらいずみるい氏)(『リナ抹殺指令』掲載)

 →異世界冒険ファンタジー。コメディ。

・風の大陸(著者:竹河聖氏、イラスト:いのまたむつみ氏)

 →異世界冒険ファンタジー。シリアス。

・異形三国志NORIEが将軍!?(著者:高千穂遙氏、イラスト:美樹本晴彦氏)

 →本格異世界ファンタジー。異世界転移した十七歳少女の大冒険。

・妖怪寺縁起星空のエピタフ(著者:冴木忍氏、イラスト:田沼雄一郎氏)

・ドワーフ村殺人事件(ソードワールドRPGノベル)(著者:安田均氏、高井信氏、イラスト:草彅琢仁氏)(後編)

 →ドワーフの賢者とエルフの若者が挑む異世界ファンタジーかつ推理もの。


《コミック》

・マトゥルスの血族(著者:沢田一氏)

 →異世界冒険ファンタジー。活劇。

・ドラゴンハーフ(著者:見田竜介氏)

 →異世界冒険ファンタジー。ギャグ、コメディ、コント。

・ソウルフルナイト(著者:いづなよしつね氏)(最終話)

 →王女(ドロシー)と鉄ザル(ハヌマ)の鬼退治。異世界冒険ファンタジー。


《TRPGリプレイ》

・バトルテックリプレイ(著者:大鳥博士氏、グループSNE、イラスト:園田健一氏、メカ:河森正治氏)

 →バトルテック。『魔女たちの饗宴』。


 ここで取り上げるのは、『第3回ファンタジア長編小説大賞発表』ですね。この時は243編の応募がありました。

 注目すべきは後に『魔術士オーフェン』シリーズで大人気を誇り、今もその人気が高い作家、秋田禎信氏が準入選作品として上がっていることです。

 作品は『鬼の話』のタイトルで、これは後に『ひとつ火の粉の雪の中』に改題され、デビュー作品となったものです。私もこの小説も買ったと思いますが、どこに行ったかな? 多分、本棚をあされば発掘されると思いますけれど、内容はすでに忘れてしまいました。

 他にも何人か入賞していますが、現在では活動されていない方々が殆どのようです。一人だけ、何年か前まで活動していた形跡はありました。

 入選することも大変ですが、何よりもそのあとの方が何十倍、何百倍も大変なことになるのでしょう。それはきっと、現在も同じことと思います。


 面白いことに、『鬼の話』に関しての審査員さんのコメントが掲載されていました。これがどなたの言葉かは書かれていないのですけれど、『かなり問題あり』で、『おまけして』、『一応準入選』という非常に微妙な評価でした。

 面白いですよね。もしここで『おまけ』が無かったら、ひょっとしたら世の中に出ないまま消えてしまった作家さんかも知れません。つまり、『魔術士オーフェン』も誕生しなかったわけです。

 審査員さん、何か光るものを感じたのでしょうかね。この判断が後の角川書店、現KADOKAWAに大きな利益をもたらしているわけですから、まさに英断と言ってよいでしょう。

 因みにこの時の審査員さんは四人。安田均氏、田中芳樹氏、岬兄悟氏、火浦功氏。

 当時人気のあった方々が並んでいます。


 そして読み進めていくと、更に面白いことを発見しました! 当時はもちろん全く気づきませんでしたし、何よりもデビューするのはもう何年か時間が経過しなければなりませんから。

 一次選考を通過した作品と作者名も記載されていたのですが、その中に上遠野浩平氏のお名前がありました。後に『ブギーポップ』シリーズで人気を博し、私もこの作品が大好きなのですけれど、その作者さんその人です。

 改めて調べると、同じことが某検索記事にも掲載されていたので、間違いないと思います。この頃から実力を発揮されていたわけですね。

 ここでもし、それこそ『おまけ』があって何らかの入賞を果たしていたら、その後の富士見ファンタジア文庫も大きく異なったかも知れません。いや、逆に時代が早すぎて人気が上がらず、消えていたかも・・・。時の運って不思議ですね。

 三十年以上が過ぎて改めて読み直すと、こんな発見もありました。


 長々と書いちゃいましたけど、別の話をもう少しだけ。

 9月号で連載を開始した『ソウルフルナイト』。ハヌマとの出会いを描いた話でしたが、これで終わりになってしまいました。

 理由は打ち切りだったのか、最初から予定がそうだったのかはわかりません。

 見れば『第一部完 コミックスへつづく』となっていましたが、コミックスは出ませんでした。なのでこの物語は謎のままです。

 この時代の『ドラゴンマガジン』は数回掲載されて、そのまま自然消滅するような作品が多かったです。

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