第43話【1990年の『ドラゴンマガジン』を振り返って】
前回までで一年分をざっと見直しました。書棚から引っ張り出し、大雑把ながらも目を通すのは買った時以来かも知れません。次の号が発売すると、あまり読み返すこともありませんでした。
ですので、どれも33年ほどの時間が経っています。もしかしたら、その頃まだ生まれていなかった人も読まれているかも知れませんね。
当時は気にもしませんでしたが、アニメータさんがイラストを担当することが多かった時代なんですね。少なからず漫画家さんもおられました。
しかもペンネームを使い分けていましたから、全くの別人かと。その割にはやけに絵が似ているなとか、パクリじゃないかとか、そんなことばかり考えていました。どっちも本人ですから、そりゃそうですね。
このようにペンネームを使い分けることで、気持ちのスイッチを切り替えていたのかも知れません。
現在でいうところの複数アカウントです。
そうしたアニメータさんの中で、結城信輝氏の『ヴェルバーサーガ』と出渕裕氏の『機神幻想ルーンマスカー』は、交互に掲載されていたことがわかりますが、9月号を最後にどちらもストップしていますね。
1991年以降の確認は今後調べていくうちに明らかになると思いますが、確かそのうち連載が滞ってきたように記憶しています。少なくとも私が『ドラゴンマガジン』から離れるまで、完結しなかったのではないでしょうか?
段々とアニメの仕事が忙しくなってきたのかも知れませんね。1990年代前半はOVAが随分と流行りましたし、恐らくTV用アニメも増え始めた頃じゃないかなと。私、この頃って殆どアニメを見ていなかったので、そこはちょっとハッキリしたことは言えませんが。
また第1回ファンタジア大賞の入賞者のかたがたも、紙上をにぎわせていました。ただ神坂一氏と冴木忍氏以外の方々は見かけませんでした。
手元には1992年及び1993年の富士見書房目録が残っていまして、それを開いてみますと、一人は確認できましたが、入選したものの書籍出版まで至らなかった可能性が高いかたが、それなりに多かったのではないかと。これ、当時は全く気づきませんでした。
その意図や事情は全くわかりませんが、実際冴木忍氏の入選作品も何故かお蔵入りした経緯がありました。この辺りの経緯は、恐らく出版社側も誰もわからなくなっているのでないでしょうか。
現在であれば次々にデビューさせていますから、その辺りの方針が大きく変ったものと思います。
こうした様子も、今回振り返って初めてわかったことでした。
連載小説はまだまだライトノベルのような傾向は薄く、古典的な異世界ファンタジーや、いわゆるノベル(新書などで発売される感じのもの)と呼ばれる雰囲気を持ったものが多かったです。
そうした中でやはり『スレイヤーズ』の登場は斬新だったんだなと。革命的な作品であったことを、改めて感じました。
もしあの時代、『スレイヤーズ』が選外となり、世に出ることが無かったら、現在のライトノベルの構図が全く違ったものになっていかも知れません。
あとは『ソード・ワールドRPG』。今回はリプレイしか取り上げていませんが、他にも細かい記事が多数掲載されていました。『ドラゴンマガジン』は『ソード・ワールドRPG』の専門誌としての役割を担っていたわけです。
この点はまたいずれ取り上げたいと思います。
長々と振り返り話を書いてきましたが、いい加減おしまいにしないとまだまだ続いてしまいそうですので、残念ながらここまでにします。
次は引き続き、1991年の『ドラゴンマガジン』につきまして、同じ形式を用いてお話したいと思います。
まずはここまで読んでいただき、どうもありがとうございました。
次回以降もよろしくお願いいたします。
(追記)
1991年分の話は三分の二ほど出来上がっていますが、時間の都合上、遅れております。
今年(2023年)の年末年始の連休を利用してまとめ上げ、そのタイミングで公開を始められたらと思っています。
今しばらくお待ちください。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます