第41話【1990年11月号の主な掲載作品】

《表紙》

・ 機神幻想ルーンマスカー(表紙イラスト:出渕裕氏)


《巻頭特集》

・特集1:出渕裕キャラクター大特集

・特集2:Jr.MASTER

・特集3:ソード・ワールドRPGリプレイ

・特集4:風の大陸


《小説》

・風の大陸(著者:竹河聖氏、イラスト:いのまたむつみ氏)(巻頭カラー)

 →異世界冒険ファンタジー。シリアス。

・ハイパータイマー・ネーナ(著者:岬兄悟氏、イラスト:遊人氏)

 →ちょっとエッチなSFラブコメ。

・ユミナ戦記(著者:吉岡平氏、イラスト:春巻秋水氏)

 →異世界冒険ファンタジー。現代から異世界へ転移。

・バセット英雄伝エルヴァーズ(著者:ひかわ玲子氏、イラスト:美樹本晴彦氏)

 →異世界冒険ファンタジー。シリアス。

・星空の天幕(著者:冴木忍氏、イラスト:森田理論氏)(前編)

 →異世界冒険ファンタジー。宝探し。貧乏大脱出。不幸。後の『道士リジィオ』シリーズ。


《コミック》

・マトゥルスの血族(著者:沢田一)

 →異世界冒険ファンタジー。活劇。

・ハイパー・アクテイブ(著者:大橋薫氏)(読み切り)

 →異世界冒険ファンタジー。コメディ。

・アディティア(著者:こばやしひよ氏)

 →異世界冒険ファンタジー。あやかし退治。

・ドラゴンハーフ(著者:見田竜介氏)

 →異世界冒険ファンタジー。ギャグ、コメディ、コント。


《TRPGリプレイ》

・ソード・ワールドRPGリプレイ(著者:山本弘氏、イラスト:幡池裕行氏)

 →ソード・ワールド。『虚空からの侵入者』の前編。


 巻頭特集では、出渕裕氏のキャラクターたちを特集しています。連載されていた『機神幻想ルーンマスカー』を筆頭に、『ロードス島戦記』、『機動警察パトレイバー』と続いています。

 記事の冒頭には、当時最先端のメカデザイナーでありキャラクターデザイナーであることがうたわれていました。当時から第一線で多彩にご活躍されていたことがわかりますね。角川書店(現KADOKAWA)とは切っても切れないクリエーターさんです。

 そして記事の中で大きく飛躍した切っ掛けが『ロードス島戦記』であることが記されていました。当時の私はもちろん、この小説が切っ掛けで知った方々は、あの時代多かったのではないでしょうか?

 あとこの特集を見ると、特に細身の女性に関しては、理想的な描きかたをしているんじゃないかと、素人の私がいうのも大変失礼ですが、そのように感じました。決して虚弱ではなく、そこに魂の力強さを感じます。美しく、凛々しい姿です。だからこそ物語がより映えたのではないでしょうか? 

 今、三十数年の時を経て改めて見ても、決して色あせない輝きを感じました。


 続いて『ソードワールドRPG』。

 この号から連載再開、およびメンバーを刷新して第二部がスタートしました。イラストレータさんも変わりました。

 特集ページを見ると、第一部との違いが記されています。シナリオがキャンペーン形式になっているということでした。キャンペーンと言うとイベント的なイメージが強いですけれど、TRPGにおきましては数回のプレイで一つの物語が完結するということでした。

 更に、幾つかのキーワードがもとになり、1回ごとのプレイで少しずつ謎が明らかになっていくと。その小さな事実の積み重ねが、最後に大きな謎を解く糸口になると、そう書かれていました。

 つまりより物語性の高い展開がなされるということでしょうかね。

 ここまで思い切って刷新されると、読者側も抵抗があってもやむを得ません。正直、私も違和感を感じましたが、リプレイは読み続けましたし、単行本も揃えました。段々と違った面白さを感じたからです。


 小説の方では、『星空の天幕』(著者:冴木忍氏)ですね。これは後に『道士リジィオ』シリーズとして展開されました。

 この時のイラストレータさんは『森田理論』名義でしたが、イラストレータの鶴田謙二氏のこと。

 この作品も未完のまま、終わってしまいましたね。後にOVAが制作中という話が出ていましたけれど、諸般の事情でお蔵入りという今ではありえない結末を辿った不幸な作品でした。あとがきでも触れられていましたっけね。ただ『道士リジィオ』全4巻を確認すると、その旨は書かれていなかったので、恐らく他の作品のあとがきだろうと思います(蔵書の量が多いので、この時点では探し当てられていません)。

 この作者さん、本当に綺麗な物語を書かれるので、私は今でも大好きです。本もちゃんと残っています。文章力、レベル高いです。ライトノベルではなく、純ファンタジー系の作家さんです。

 何故この作家さんが消えてしまったのか、ファンとしては納得いきません。

 ですが今こそ、書いては消えていくライトノベル業界の現状に、一石、いや一岩をぶん投げて欲しいです。これこそが異世界ファンタジー小説だと。

 この声が届くとも思っていませんが、それでも今もファンの一人として、どんな形でも、今の時代ならばWEB投稿サイトでも、復活されることを心から願っております。

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