第11話 「僕」[朱里]〈僕父〉『 朱里父』
「くるしい、離して」
〈おっと、すまん〉
そう言い、離してくれた。
[・・・・・・・・・]
朱里って、父親と仲悪いのかな?
抱きつかれたの僕だけ、だけど。
『 誘拐したと電話が来たぞ、大丈夫なのか?』
[大丈夫です、迷惑掛けてしまってすいませんでした]
朱里の目が死んでる。
僕は、そっと朱里に近寄り手を握る。
僕が居るよ、と言う視線を送りながら。
すると、朱里は僕にだけに聞こえる声で[ありがとう]と言ってくれた。
「どうして、お父さん達がここにいるの?」
僕が聞くと、お父さんはため息を付き、答えてくれた。
〈はぁ、自分の子供が誘拐されたと、聞いたんだぞ心配するに決まってる〉
「へー」
〈へー、じゃない〉
「まぁ、誘拐犯Bさんと話したけど、更生?させたけど、誘拐は初めてだったから楽しかったよ」
可哀想な子供、でも見るような視線を朱里父から感じる。
〈大丈夫か?〉
「心配しないでよ、あの人との約束は守れてるから」
お父さんは、朱里と手を繋いでるのを一瞥すると〈そうだな〉と言ってきた。
『こんな子と、お前は付き合ってるのか』
[・・・・・・そうだけど]
『今すぐ別れなさい』
[嫌だよ]
おっと、いきなり別れ話?
「あの、朱里父いいです?」
『なんだ?』
「あなたは、会社の経営で忙しいでしょうが、子供には愛情が必要です、母さんが亡くなって朱里は悲しみました、ですがあなたは、会社に篭もりっきり、僕があなたのあげられない愛情を渡して何が悪いんですか?」
〈私も子供に賛成です、社長はたまに帰れる日があっても帰らなかったじゃないですか、それなのに、別れろは酷いと思います〉
[私はたまにでいいから、お父さんと会いたかったよ、お母さんが亡くなってから私は、ずっと家に1人、寂しかったんだよ]
目に涙を浮かべながら、訴える朱里。
『 そうだったのか・・・すまなかった』
これで別れ話は無くなったな。
1件落着、と思ってた日もありました。
〈息子よ、もしかして朱里ちゃんと一緒に住んでるのか?〉
「そうだけど〜」
何も考えずに答えてしまった。
すると、いきなりゲンコツされた。
〈年頃の男女が、同棲なんて許されるかよ〉
「まだ、ヤッてはないから安心して・・・あっ」
耳まで真っ赤にする朱里と、顔を真っ赤にして怒る両父と、失言をしてしまった僕。
「大丈夫安心して、責任はとるから!」
そんなこんなで話し合いは終わった。
同棲は、責任を取る事で一応、おけをもらった。
____________________
あとがき
適当すぎる
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