第2話 満月や星空をバックに

「行くんだったらこの縄外さないとね、ごめんねせっかく、二宮さんが縛ってくれたのに」


「ふふ、別にいいわ」


それから、二宮さんに縄を外してもらい2人で、写真を撮りに行く。

家を出て気付いたけど


「二宮さんの家って、大きいね」


「ふふ、お父さんが社長をしてるからね、知らない?二宮家具って名前」


「それぐらいは知ってるよ、僕のお父さんもそこに勤めてるからね」


二宮家具とは、なんか凄い所だよ。

よくは知らないけど凄い所だと思ってくれていいよ。


「あっそうだ、二宮さん」


「ん?どうしたの?」


「せっかくだし、手でも繋ぐ?」


「ふふ、何がせっかくよ、私も繋ぎたかったからいいわよ」


僕たちは、目的の場所までたわいのない話をしながら歩いて行った。


◇◇◇


「着いたね、二宮さんは疲れてない?」


「ふふ、影春君は優しいのね」


「こんなの普通だと思うよ?まぁ、僕お父さん以外と喋った事ほとんどないからね、久しぶりに話せたのが噂の二宮さんで良かったよ」


「あの時って?」


そこで、二宮さんの目からハイライトが消える。


「ごめんね、二宮さんが居るのに他の人の話をしちゃって、後あの時って言うのは僕にも記憶がないんだよ、その思い出だけが消えてるって感じ」


二宮の目に、ハイライトが戻り、謝られた。


「それは、ごめんなさい失礼だったわね」


「いいよ、大事な記憶なら消えないと思うし忘れてて、それよりも写真撮ろ?」


「そうね、そうしましょう」


「あっ、僕のスマホって持ってる?」


「それなら、ここにあるわよ」


「ありがとう、二宮さん」


そう言って、スマホを構える。


「ほら、二宮さんカメラ目線だよ」


僕たちは、カメラに目を向け満月や星空をバックに写真を何枚も撮った。


「あっ、この写真いいね、二宮さんこの写真を待ち受けにしていい?」


「うん、私は嬉しいわ」


「ありがとう、二宮さん」


そう言って、僕は二宮さんが喜びそうなハグをして、それを写真に撮った。


「それで二宮さん、ルイン交換しよう?」


「あぅ・・・」


あれ?


「二宮さーん?」


そこで、二宮さんはハッと気付いた。


「どうしたの?」


「ルイン交換、いやだった?」


「そんな事ないわ、交換しましょう」


そこで僕たちは、ルイン交換をしてハグ写真を送ったり、今まで撮った写真を送った後、お互いに気に入った写真を、待ち受けにした。

僕は、2人でカメラに向かいピースをしている写真で、二宮さんは、ハグ写真だった。


「なら、二宮さん帰ろうか?」


と僕は手を差し出した。

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