浦島ブッコ郎
ぱせりん
第1話
「今回はこちら、二次創作の世界ー」
「本日は伊勢佐木町本店にやってまいりました。二次創作の世界ということで、浦島太郎の物語を有隣堂で再現するという…これどう考えても、作者が二次創作の解釈を誤ってるとしか思えないんですけど、P、これで大丈夫ですか?」
「…まあ、やってみて…」
「…はい」
デデデレッテッ
「店舗の外でいじめられてる亀を助ければいいんですか?今日の関内、まあまあ人通りありますよ。中でやればいいじゃないですか」
「このこのーっ」
「えっ!?郁さんの出演ここ!?郁さん絶対浦島太郎の物語でいじめっ子じゃないでしょう」
「商品の価格間違えやがってー」
「ああ、もう今、亀が誰が分かりましたよ。いじめっ子役の佐藤さん、この亀ちょっと前に肋骨折ってるからコブラツイストはやめてあげて。細川さんその紐で亀を縛り上げちゃだめです。画的に放送できなくなっちゃう。寺澤さん同期だからって容赦ないし。君たちやめなさい!ほら!目ん玉つつくぞ!シッシッ!」
「わー、逃げろー」
「亀役の間仁田さん、大丈夫ですか。いじめっ子たちは逃げましたよ」
「たす…助けてくださってありがとうございます」
「…はい」
「…このまま先進めていいですか」
「…はい」
「助けてくれたお礼に竜宮城へ連れて行って差し上げましょう」
「…はい」
「あんまり乗り気じゃない」
「…はい」
デデデレッテッ
「こちらが竜宮城です」
「いや、ここ竜宮城じゃないです。ここ有隣堂が経営する居酒屋です。間仁田さんが皿洗いしてる」
「はい。あ、いえ。竜宮城です。乙姫様がいらっしゃいました」
「浦島ブッコ郎様、ようこそいらっしゃいました」
「雅代ォォォッ」
デデデレッテッ
「いやあ、まさか乙姫様の漫談が聞けるとはねえ。悔しいけど、すごく面白かったです。内容が内容なだけに映像で流せないのが残念なんですけど、本当に最高でした」
「ありがとうございます。名残惜しいですが、お土産に玉手箱を差し上げましょう」
「えっ、まさかの玉手箱オカモッティ!?」
デデデレッテッ
「このオカモッティ、開けたかないんですけど、開けないと終われませんよね。うーん。でもまあ、浦島ブッコ郎は歳を取ってロマンスグレーになってもカッコいいと思うんですよね。よし。開けますよ。エイッ」
フワッ
モクモクモク
「えっ、岡崎さん!?ここ!?オチで登場!?」
「だって、小説だからなんでもアリだって聞いてて」
「なんでもアリだったら、岡崎さん小さくなってオカモッティに入るんですか」
「うん」
「岡崎さんがやりたいって言ったんですか」
「うん。うふふ」
「でもね、手乗りサイズの岡崎さんね、すごく良いです。可愛い。お金のにおいがしますよ。手乗崎弘子。…なんか嫌そうな顔してますけど」
「自分が売られるのはちょっと…」
「ちなみに、オカモッティの乗り心地はどうでした?」
「最悪」
ペンポンポン
ペンポンポン
ペンポンポンペンポン
浦島ブッコ郎 ぱせりん @ppppaserinnn
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