第41話 僕の決断

 ツバキ姉さんに宣言した通り、僕は三人の女性に対して誠実な答えを出したいと思っていた。


 相原さんのことは今でも好きだ。

 それは変わっていない。


 だけど、なぜ好きなのか? 


 今は相原さんを好きな理由を考えなければならない。


 時間が経ったから? 好きな気持ちが減ったから? 相原さんに好きだと言われて答えられなかった時、胸はそれほど痛くなかった。


 相原さんのことを考えているとチナちゃんの顔が浮かんできた。


 今日はチナちゃんに抱きしめられて、勇気づけられてしまった。

 年上なのに恥ずかしい。

 だけど、チナちゃんの瞳はいつもまっすぐで、僕を見てくれている。


 サッカーを頑張っていて、僕と一緒にスケボーもしてくれている。

 勉強は苦手だけど、一生懸命勉強している姿は可愛かった。

 趣味も同じで、チナちゃんと過ごす時間は楽しい。


 チナちゃんのことを考えると、どうしても自分の恥ずかしさが勝ってしまうけど。幸せな気持ちになれる。


 そして、僕にとって様々な変化をくれた人。


 それが黒鬼姫さんだ。

 

 彼女はいつも僕の側に居てくれて、僕のことを考えてくれていた。

 それは彼女が一番最初の友達で、そして好意を抱いてくれているから。


「自分でも贅沢な悩みだって思うな。最初は相原さんに振り向いて欲しくて、相談役をしていたはずなのに、今は逆に好きな人を選ぶってなんだか、偉そうな気がするけど。自分が頑張った成果だと思えばいい。ただ、どの女性もいい子で誰を選ぶのか?」


 きっと誰を選んでも幸せになれると思う。


 相原さんとは本を通して、話を合わせることができる。

 それにお互いに色々な経験を積んだことで、本以外のことでも話ができるようになったと思う。


「相原さんが経験したのは彼氏とのことだから、どうなのかな?」


 自分でも考えて苦笑いが漏れ出てしまう。


「チナちゃんは、うん。一緒にスケボーして、一緒に遊んで、小柄で可愛いくて、一生懸命で応援したくなる」


 チナちゃんのことを考えると、つい顔が笑顔になってしまう。

 だけど、これは恋愛なのかな? 応援したいって、まるでファンのような気がする。確かに美少女で、抱きしめてもらった時は女性として認識した。


 これが恋愛かと聞かれるとよくわからない。


 それが僕の中で出した答えだ。


 もっとチナちゃんのことを知り合えば違ってくるのかもしれない。


「ふぅ、真剣に誰かのことを考えるって大変なことなんだな。でも、いつまでも答えを出さないまま、みんなと仲良くしているのは違うと思うから」


 最後はヒメさん。


 ヒメさんは……。


 僕はヒメさんの顔や体、雰囲気から、話てきたこと。


 全部を考えて自分の顔が熱くなるのを感じる。


「うん。ヒメさんってなんだかエッチなんだよな。今日だって、二人でデートに行ったらサービスするって……僕だって男だから、期待しちゃうっていうか、そういうことを考えるよね」


 ヒメさんは美人だ。


 それは誰もが知っていることだけど、僕にだけ向けてくれる笑顔とか、僕にだけ優しかったりとか、ズルイよね。


 それに他の二人と違うのは、腕を組んでもらった時に感じた胸のボリュームはヤバい。凄く自分を卑下したくなるけど、柔らかくて、気持ちよかった。


「ハァ、女性として見るなって言う方が無理だよ。好きにならない方がおかしいんじゃないかな?」


 ヒメさんのことを考えてしまうとどうしても別の方向に言ってしまう。


 僕は首を振って頭を整理することにした。


「相原さんは、誰にでも優しくて、可愛い。嫌なところがなくて、本を読むのも話が合う。だけど、彼氏がいて、僕は相原さんの相談役だった。やっと、相原さんの恋愛物語に登場人物になれた」


 それは嬉しいはずなのに、どこか俯瞰して自分のことじゃないように思える。


「チナちゃんは、美少女で、いつも一生懸命。それに僕のことも見ていてくれて、優しくて、全力で好きだって言ってくれた。きっと一緒にいると楽しくて、僕はチナちゃんを応援していきたいと思える」


 この選択は間違いじゃない。


 チナちゃんを選んだ時、後悔はしないと思う。


 他の誰でもなく、チナちゃんと一緒にいることは幸せだ。


「ヒメさんは、美人で、頭が良くて、運動でもできて、みんなのリーダーとしてカリスマ性もある。それなのに他の男子に目もくれずに僕だけを見てくれている。僕にだけ優しくて、僕にだけ笑顔をくれる。そして……エッチだ」


 またエッチなことを想像して、顔が熱くなる。


「あ〜!!!!!僕はどうすればいいだ! 三人とも良いところしか浮かばないし、三人ともそれぞれに好きだと思える!!!」


 いっそ全員と……


「なんて言ったら、全員から嫌われるだろうな」


 まだ、時間はあるのかな?


 もしかしたら、次に学校に言ったら、誰も僕を好きじゃなくて、僕が好きだって伝えてもごめんなさいって断れられるのかな?


 ハァ、ベッドでゴロゴロして、僕は気持ちを落ち着ける。


「うん。僕の気持ちは決まった」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

あとがき


どうも作者のイコです。


10万字に到達していないのですが、予定していた話を終えました。

ブックマーク数が500を超え!本当にありがとうございます!


そして、遊び心を出してみることにしました。


今後の展開ですが……。


1、ハーレムルート

2、相原希ルート

3、黒鬼姫ルート

4、小金井千奈ルート

5、椿ルート

6、鬱ヤンデレルート

7、NTRルート


 七つのルートを頭の中で思い描いておりました。


 どれに進めようか悩んで決められなかったので、読者の方々の投票にしようかと思います。


 ご意見いただけないでしょうかΣ੧(❛□❛✿) 

 

 気軽な感じで、「誰々ルートで!」とコメント頂ければ、一番多いルートの話で続きを書こうと思います。


 期間は本日より五日間。


 一番多いルートで、土曜日から続きを書き始めます。


 気軽な遊びだと思ってください。


 投票(๑>◡<๑)をどうぞよろしくお願いします(^O^)/

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る