第50話 反撃
学校でまなみちゃんが友達と話してるの聞こえた。
たくや君がやり直そうって言ってきて困るんや〜。
受験やん?それどころじゃないって言ってもさぁ、待つらしくて。
こっちその気ないからすごい迷惑でメールがウザいんよね〜。
わざわざうちがいる時に話したって感じた。
これも嫌がらせのつもりなのかな?
まなみちゃんの言う事は二度と信じない。
たくやはそんな事言わない。
こうたに貰ったゲームを最近やりだした。
戦国武将になって敵を倒しまくるゲーム。
このゲームの爽快感にハマってた。懐かしい。
人をぶった斬るのスッキリする。
地味な嫌がらせに毎日イライラしてる。
このゲームめっちゃちょうどいい。
席替えして、学校やめさせてって言ったやつが前の席になった。
地味すぎる嫌がらせをこいつはよくしてくる。
今日の嫌がらせは、うちにプリント回さんとわざわざ余りましたって前に持って行く。
それを何度も繰り返す。
地味…お前それして楽しいか?
まなみちゃん含めてクラス数人がクスクス笑う。
いつもはため息つくだけやけど、今日はぶった斬ってやろうと思った。
「なぁ、〇〇、お前いい加減にしろよ?」
プリントをまとめて取りに先生のところに行って席に戻る時に話しかける。
うちに話しかけられると思ってなかったんか、こいつ目が泳いでる。
こいつの机にあったもの全部窓側にばさーっと落として机を蹴りあげる。
プリント何枚かと筆箱が窓の外に落ちた。
机当たって痛そう。
「〇〇、謝れんの?」
さっきまでの笑い声はなく静まり返る。
先生はおいおい…って慌ててこっちに来る。
「………ごめんなさい」
「このクラス終わってんな〜!!」
全員に聞こえるように声を出す。
手の爪が割れたみたい。血がポタポタ落ちる。
教室をゆっくりと見回したら、おそらく笑ってたやつ?がバッと下向いたり目を逸らしたりする。
先生が止めに入って、血だらけやから保健室に連れて行かれる。
保健の先生が手当してくれて、今日はこの後、教室には戻らずに保健室で過ごすように言われた。
先生がクラスに話をするらしい。
何とかカウンセラーの人がまた来て、保健の先生と一緒にうちの話を聞いてくれた。
地味な嫌がらせをされ続けてて、やり返しただけ。
それ以外に話す事はない。
うちより〇〇の話聞いてあげなあかんのちゃう?
めちゃくちゃビビってたよ?
すごく清々しい気分だった。
これで絶対に変わるって確信があった。
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