第48話 再会
実家の建て替えが終わって仮住まいから引っ越し。
そこでまさかの再会。
「…あれ?こうた!?」
「苗字でまさかとは思ったけど、かおりん!
久しぶり、元気してた?
俺、今、就活しながらバイト中でさぁ。
マジ、びびった〜」
「ここの作業済んだらあがりなんやけど、引っ越し終わってから時間ってある?
久々話したいな」
「うん、大丈夫」
元気そうで良かった。
「こうた、さっきバイトって言ってたけど、前の仕事やめたん?」
「ちょっとノロケ話になってしまうんやけど、かおりんと別れた後、付き合った彼女が、バツイチ子持ちの年上なんや。
その子と今、同棲してて、前の仕事の給料とか拘束時間とか考えたら転職した方がいいかなって。
手に職つけたいから今、面接受けてしぼってる感じかな。」
すごいな…同棲って。ノロケ話出来るくらいになっててくれて安心やけど。
「そうなんや。
すごいがんばってるんや!
ノロケ話が聞けて安心したよ」
「かおりんは?
好きな人とどうなった?」
「えっと…こうたに話すような話ではないんかもやけど…
向こうがどう思ってるんかよくわかんなくて。好きとは言われるけど、付き合ってはなくて。
なんか…そういう関係?にも先になっちゃって…都合のいいセフレ?みたいな状態で。
もうどうしていいかわかんなくて…
他にいこうかとも思って…フラフラしまくってる感じ?
あはは、ごめん。
リアクションに困るよね、この話」
こうたがタバコを出して聞く。
「いる?」
うなずく
うちがプレゼントしたライター使ってくれてる。
タバコに火をつける。
こうたのタバコはメンソールがうちのより強い。懐かしい。
「これ、俺のお守りにしてる。
貰った時マジでどん底って感じやったけど、これがいい感じになるまでに幸せになってやるって逆に頑張れた。
………
かおりん、フラフラしたらあかん!
どうしたって諦められんくらい好きなんやろ?
だったら、ダメ元で好きで好きで仕方ないって、その人だけやって、ウザいくらいにわからせてやらな!
本気で頑張って、ダメやったら諦められると思うよ。
それに怖がって他に逃げたり何も言わんかったら伝わらん事、いっぱいあるよ?」
こうたの言うとおりだ。
うちは逃げてる。
他の人に逃げれるわけないのに。
ダメ元で状況変える覚悟が足りない。
たくやに嫌われたくなくて言えない事ばっかり。
それでは何も変わらない。
「そやね。こうたの言うとおり。
うち、もうちょっと頑張ってみるよ」
「おう、がんばれ!!かおりん、幸せになってよ!!」
背中を思いっきり叩かれた。
何かやってやろうって気になってきた!
今日、偶然に再会出来て本当に良かった。
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