第11話 こんな再開望んでなかった
「あー…??2人で来たん?アパート行く?あんまりきれいじゃないけど」
駅で待ち合わせて、合流した時にめちゃくちゃビックリした顔のたくや。
まなみちゃんまた言ってなかったのかな?
「お邪魔しまーす」
まなみちゃんが部屋の方に入って行って玄関でたくやと目が合う。
お互い口パクで「何で?」「…」お互い説明はできない。
そのまま部屋に入れてもらう。
「今日は何で2人で来たん?」
「だって、緊張するもん。小豆島で仲良さそうやったからついてきてもらった」
まなみちゃんが知ってるよりもっと仲良くなってるの知ってるのかな?
この人毎日連絡してくるんやけど…
「たくや…くん、まなみちゃんと付き合う事になったんやね。こないだ聞いてびっくりしたんや〜」
こっちからカマかけたらなんて言うのかな?
「あー、うん。まなみちゃんが告白してくれて付き合う事にしたんやけど、なんか付き合ってるんかよくわからん感じなんやけど」
…はぁ?どういう説明?
「えー、ちゃんと付き合ってるやん。今日だって会いに来てるし」
「いや、かおりちゃんつれて会いに来るの変じゃない?」
「そうかな?かおり変かな?」
「うん、めちゃ変」
まなみちゃんがいるとこでズバズバ聞けない。
3人で歓談するしかないやん。
やっぱり罰ゲームやん。
1時間経った、もう無理。
「ごめん、うち今日バイトやからそろそろ帰るね」(嘘)
「帰り道わかる?かおり方向音痴やん?」
「…何とか…ならんから説明してほしい」
「ちょっとわかりやすいとこまで送ってくるから、まなみちゃん待ってて」
たくやと2人。
「友達はどうなったん?」
「諦めるらしくて、俺に気があるっぽいからいけばって」
「へぇ〜、でも良かったね。まなみちゃんかわいいし。」
まなみちゃんは可愛い。小さくて細くて。
たくやと並んだらきっとバランスがいい。
自分で思った言葉で自分に呪いをかけた気分だった。
「あの子、よくわからんとこあるから、また教えてよ。この先曲がって真っ直ぐ行ったら駅わかると思うよ」
「何も教える事ないと思うよ。大事にしてあげてね。じゃあね」
聞きたい事はいっぱいあった。
全然聞けなかった。
聞くのが怖かった。
うちは友達
勝手に期待しただけ
分かってても涙があふれる
通り過ぎる人が見てくる。
すごく嫌だけど止められない。
たくやが好き
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