第12話 オルドスのお節介。
ミチトは気を取り直すと、ユーナに覚悟を持てと再度言い、コーラル達も集めて収納術から魔水晶をコレでもかと取り出してみせる。
「魔水晶には術の保存に向いた奴から、加工に適した奴なんかがある。無限魔水晶にするときも、いう事を聞きそうな魔水晶を選ぶんだ。さあ、君たちなら術人間を作るならどれにする?」
この質問にヘマタイト達は頭を抱える。
正直どれも同じに見えてしまっていた。
ここで異常さを発揮したのがヴァンだった。
「ミチトさん、俺は才能ないと思うんだけど、コレがいいって思えたんだ」と言って一つの魔水晶を選ぶと、「当たりだ。真式の奴に入れ知恵された?」とミチトが驚きを口にした。
「ううん。コーラルみたいな気配がしたって言えばいいのかな?なんか凄くいい気がしたんだよ」
ヴァンはそのまま「でもセレナにはコレじゃないよね?」と言うと、ユーナの手を持って「ユーナ、セレナと魔水晶を一緒に見てみてよ、なんかこれって奴があるかも」と言う。
ユーナはガタガタぬかしかけたが、圧を放ちながら拳を握るミチトと、急かすヴァンに負けてセレナと魔水晶を見比べると一つの魔水晶を選んだ。
「当たりだ。ヴァン君に感謝しなよ」
そのまま無限魔水晶の作り方になった時、ミチトは「在庫減るのやだ」と言って「真式!ちょっとファットマウンテンの魔水晶取ってきてよ!」と言う。
「えぇ?ミチト君、収納術にかなりの在庫を入れてたよね?寝たきりになってからも、足りなくなるとファットマウンテンから転送術で取ってきてたよね?」
「それが何?俺の在庫はまた転生術を使った時に使うかもしれないだろ?」
このやり取りを聞いていたコーラルが「お爺様?出向かずに魔水晶は取れるものなのですか?」と疑問を口にすると、ミチトが「ダメだよコーラル。愛の証に毒されてるなぁ。聞く前にまず実践!俺の教えだよ!」と言って注意をする。
コーラルは嬉しそうに「はい!ありがとうございます!やってみます!」と言うと、「遠視術!ファットマウンテン…見つけました!」と言う。
「よし!心眼術だ!魔水晶を赤にしてみろ!」
「はい!心眼術!」
「いいぞ!それを1箇所に集める…。コーラル!術が甘い!心眼術に漏れがある!」
「はい!」
「よし!転送術だ!」
「知らない術です!」
「転移術と同じだ術で集めた魔水晶と繋げて呼べ!そして名前から思案しろ!聞く癖を捨てろ!」
「転送術!」
コーラルが無事に大量の魔水晶を手に入れたのを見て「よし」と言って黙るミチトを見て、アクィが「あ…、ヤバいわ」と言った。
「アクィさん?」
「スイッチの入った顔。ミチトはしつこいのよ」
そのままミチトは「んー…久しぶりだけど嫌がられないかな?」と言って、「あ、四つ腕さん、久しぶり!うん転生術でさ、今子孫達に転送術を教えてて、ファットマウンテンの魔水晶を乱獲するから即時再生してくれる?うん。ごめんね。いつもありがとう。じゃ、皆にもよろしく言ってくれるかな?ありがとう」と言うと、ヘマタイトを見て「さあ、君の番だよ」と言う。
結局全員が魔水晶を手元に呼べるまで続き、ユーナは「俺は…」と言っただけで殴られて、「身体の主がガタガタぬかしたら好きなだけ殴れだってさ」とペトラの許可がある事を伝えてきた。
それを見ながらペリドットは「なあ、ヘマタイト」と横に座るヘマタイトに声をかける。
「なんだい?」
「転生術って無期限なのか?」
「一式は30日経過か術切れまで、二式は術切れか使用者と転生者の繋がりが崩れるまでです」
「三式は術切れか1日だな」
「…ずっと居るのか?」
「いえ、転生術の間は転生者用に、体内に仮想的に用意された術が切れるまでです。ペトラ氏のポテンシャルに依存しますが…」
コソコソ話していたにも関わらず、ユーナをボコボコにしながらミチトは「あ、何?術切れを心配してくれるの?平気だよ。真式!直結術してくれよな!」と言う。
オルドスも楽しそうに「うん、やっておくよぉ〜。ペリドット、心配ご無用だよ」と声をかけてくる。この言葉にペリドットは「この…ありがとよ」としか言えなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます