誓い

2日後、又も白岩組関係の場所では中国人が突然襲撃してくる事件が多発した、警察は襲われた白岩組のヤクザ達からの話を聞きに、すぐに事務所へと伺った、「という事はまだ逮捕されていない神田組の人間が襲撃してきているということか?」羽鳥や市川など二課の刑事達は組長の渡部と組員二人との事務所の組長室で事情聴取を取っていた、「北中央署は実に優秀だと聞いてます、はよ逮捕してください、」渡部は白々しく煙草を吹かしソファに背中を倒しながら話している、市川は困惑しながらも渡部達の調書を取った、市川と羽鳥は用がすむと事務所から話ながら出ていった、「襲撃してきているのは中国人だと聞きました、一体どういう繋がりがあるんですかね?」市川は疑問を浮かべながら階段を無で降りて隣で歩く羽鳥につい問いかけた、「さぁな、きっと神田組の誰かが中国人を雇いヤクザを潰しにかかってるしか思わんな、だけど一体誰が雇ってるのか」羽鳥も困惑した顔になった、二人は外に止めてあるパトカーに乗ろうとした瞬間羽鳥の携帯が鳴り出した、「俺だ、何かあったのか?」羽鳥はしばらく通話をしていると突然顔色が変わった、羽鳥はすぐに携帯を耳元から離しパトカーに乗った市川を呼び掛けた、「どうしたんです?」市川は羽鳥の顔を見るとその顔は焦りを見せていた、「入院していた眞鍋が突然消えたそうだ、」 「え、?」市川は思わず驚いた、あのボロボロの体で病院を出るとは眞鍋が何を考えているのか市川は理解が出来なかった、「自分すぐに病院に行きます、羽鳥さん後はよろしくお願いします」そう言うと羽鳥は止めようとするが市川はそのままパトカーを走らせ眞鍋の入院していた病院へと向かった。




午後2時、元神田組の島に置かれていた新宿街のクラブ前の道路で一台の車が止まっていた、一人運転席に座るのは殺しを依頼された中国人ヒットマンだった、男は果てしない緊張から度々息を詰まらせている、ふと目線を上げ窓に映るクラブの方を見ると、何か覚悟が決まったのかのように閉まってあった銃を取り出し弾を籠めた、「フーー、」男は背中を倒し長く一息つくと、車から降りようとした瞬間何者かに銃を突きつけられた、「車に戻れ」 男は慌てて銃を地面に置き命令通りに車の運転席に戻った、「あんたナニモノカ知ってるぞ!」銃を突きつけた人物は助手席に乗り込むと男に強く問いかけた、「ケイサツがナゼワカッタ? マナベ 」銃を突きつけたその人物は眞鍋だった、「お前を雇った人物を教えろ、今すぐに」眞鍋は鋭く睨み付け男に強く問いかけた、「シラナイ、ジブンはシラナイ!」男は必死に首を振り知らないの一点張りだが眞鍋は止めることなく問い続けた、すると眞鍋は突然拳銃を取り出した、「誰に雇われた、三秒で応えろ、」そう言うと銃を向けたままゆっくりとカウントしだした、男は何も言わないまま怯えている、カウントは間もなく0になる、1を数え終った瞬間男はとうとう口を割った。

眞鍋は中国人ヒットマンを人質にとるように横浜の港へと車を走らせ、港に着くと車を止めた、ハンドルを握っていた男は車を止めると眞鍋の方を振り向き目線で居場所を教えた、眞鍋は車を降りると前に見える幾つかの造船所の方へと足を運んだ、すると造船所から何人かの人達が出てきた、眞鍋は足を止めることなく歩き続けた。



その頃市川は病院へ着くと眞鍋の入院していた病室には内の署の刑事達が何人か既に病室に入っていた、「おぉ来たか」駆け込んできた市川に部屋にいた西が待っていたかのように話しかけてきた、「眞鍋さんは今どこに?」市川はすぐに居場所を問いかけるも皆は知らなかった、「未だどこに消えたのか、連絡しても応答がない、あんな怪我でどこに出歩いてるんだかあの馬鹿は」西は困惑した顔を見せ頭を掻いた、市川はひとまず休もうとベット横の椅子に座りに行こうとしたその時ベットのシーツの中から一枚の写真がクシャクシャになって置かれていた、市川は気になりすぐに手に取ると写真には一人の男を映していた、「この写真に映る人物誰ですか?」市川は回りの刑事に呼び掛け写真を見せるが知る人物はいなかった、すると西は目を鋭い眼光で見つめ呟いた、「眞鍋はこの人物に会おうとしてるのかも知れない、すぐにこの人物を調べ上げろ!」 「はい!」西はそう言うと刑事達は一斉に署へと動き出した、そして市川も。






「一体何のようだ、あんたはこの件に入ると海に沈めると忠告したのにここに来たという事はあんたは死にてぇのか!」10分前眞鍋は造船所の倉庫前に着くと、造船所から出てきた中国人、恐らく中国人マフィアの仲間だと思われる彼らに眞鍋は抵抗することなく連行去れると、連れて来られた場所は倉庫内の小さな会議室だった、椅子に座らせられそしてしばらくしていると部屋のドアが開いた、眞鍋の前に現れたのはやはり松岡だった、松岡は険しい顔で眞鍋を見つめている、「何のようだ?」すると眞鍋は咄嗟に拳銃を取り出そうと懐に手をやった、それを松岡は見逃さなかった、「おい!なにしてる!」松岡や回りの中国人マフィア達は動揺を隠せなかった、眞鍋は一度前にいる松岡を見ると警告を無視して拳銃を取り出した、「! 」 次の瞬間眞鍋は取り出した拳銃を前のテーブルに叩きつけた、「後は警察に任せろ」そう言うと眞鍋は松岡の顔を強く見つめた、松岡は思わぬ眞鍋の一言に動揺した、「どういうことだ!、何が任せろだ」 すると眞鍋は話し始めた、「俺は最初壮真が手柄を取るために神田を殺害し逃走をしようとしてたのかと思ってた、だがそうではなかった」松岡はじっと眞鍋を見つめた、「本当は親組織の関武連合の獅子神というトップが企て、裏切られ神田は闇に葬られた」そして眞鍋は力強く目付きを変えた「俺が獅子神をなんとしてでもブタ箱にブチ込む、だからお前らはもう襲撃を止めるんだ!」

眞鍋は松岡達に言い放つとテーブルに置かれたままの拳銃を手に取った、しかし、「駄目だ!一度言ったはずだ戦争はもう起きてると」松岡は拒否するとソファから立ち上がり部屋を出て行こうとするのを眞鍋は止めた、「おい松岡、お前はわかってるんだろうな、この写真を見てみろ」すると眞鍋は閉まってあった写真を取り出し松岡に見せた、その写真は襲撃に向かっていった中国人の一部が獅子神達に捕まり無惨にも殴り殺された写真であった、「これは?」 「奴らは戦争だと思っていない、ただの最後の跑きだと思ってる、葬られた奴はまだ他にもいるんだぞ」眞鍋は手に持つ写真を握りしめた、松岡は眉間にシワをよせ頭を悩ませた、「あんたは信用できん、前にこそこそとうちらを嗅ぎ回っていたろ!、それに警察は捜査を終らせたんじゃないのか」 「警察はな、だが俺はまだ終らせていない」眞鍋はそう言い放つとしばらく松岡は睨みを利かせじっと眞鍋を見つめた「3日だ!3日で獅子神を引きずり下ろせ、もし3日過ぎても変わらなかったら、俺達は全面抗争を仕掛ける」眞鍋はその条件に驚きを隠せなかった、しばらく眞鍋は考え込むとすぐに応えた、「わかった、3日で何とかする」そう言うと眞鍋は立ち上がり部屋のドアへと歩いていった、するとドアの前には派手な黒いスーツを見に纏う男が立っていた、さっき入り口で連行してきた奴らとは全く見に纏っているものが違う、眞鍋はすぐにリーダー格の人物であると察知した、スーツを着た男は眞鍋の方を振り向くとニヤリと笑いこちらに会釈した、眞鍋は何も言うとことなく部屋を出ていった、松岡は眞鍋が去ってからのこと暫く煙草を吹かし考え事をしているかのように黙ったままソファに居座っていた。





夕方七時頃、眞鍋は造船所から出た後なぜか中田宅へと向かっていた、「ピンポーン」自宅に着くと眞鍋は一呼吸してからインターホンを押した、しかし暫く中田薫からの応答がなかった、だが自宅横には愛車が置かれている、家に入る可能性は十分あると考え再びインターホンを押したするとその十秒後扉が開いた、「警察の方が一体何のようです?」ドアの中からは不思議そうに見つめる中田 薫の姿が見えた、「少しお話よろしいですか」

中田宅に入ると以前と変わらぬ豪邸で広々としたリビングへと案内された、「事件は終りになったんではないんですか?」すると眞鍋は否定した「容疑者であった神田はただの駒だったんです、本当の悪を捕まえなければならない、」 「えぇ?」 「なので貴方に協力してもらいたいことがある、内通者だった貴方に、」すると二階からでかい物音が一瞬鳴り響いた、そして又数秒後にベランダの窓が開く男が立て続けに鳴った、「だれか入らしたようですね?」すると眞鍋はリビングから庭に繋がる窓を開け出ていき二階をすかさず振り向くと、そこには阿部川の姿が見えた、「刑事さん!その人捕まえないで!お願いします!」眞鍋は必死に止めようとする中田の方を振り向きただ不思議な焦りを見せた、ベランダに隠れる阿部川は諦めたかのように手すりから立ち上がりハッキリと姿を見せた、「どういうことだ!」 眞鍋は強く阿部川に問いかけた、「それはこっちのセリフですよ眞鍋さん!」眞鍋は一先ずリビングへと戻り中田を椅子へと促した、「今から真実を話せ!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る