黒幕
事件から2日後眞鍋はしばらくの間重症である怪我を治すため入院生活を送る事となった、そして北中央署は神田の死亡から慎重に事件の詳細を調べ同時刻に逃亡したと思われる若頭の壮真が暗殺を仕向け同じく組員の前田と共に逃亡、結果として内部抗争が勃発し壮真は死亡、前田は行方不明という結果で捜査は終わりを告げようとしていた、会議室では早くから捜査会議が行われた、「今回亡くなった神田は以前から中田 徹殺害事件に関与している可能性があると踏んでいた人物だったが生憎神田本人が亡くなってしまい、中田徹殺害事件の真相を早く掴む事が出来なかった、これは警察組織の失態だと思え!」西は険しい表情で集まる捜査員達に厳しい言葉を投げ掛けた、隣で座る佐々木もじっと黙り込みテーブルに肘をつけ手を握りながら強い圧をかけている、事件の行き先はその2日後、ヤクザの抗争を引き起こした神田組へと警察は目を向け、すぐさま北中央署は残る神田組残党のヤクザに令状を突き付け次々と逮捕に踏み込んだ、市川や羽鳥も踏み込む事が出来なかった神田組へと足を踏み入れた、「これで神田組も終わりだ!」捜査員は鬱憤を晴らすかのように威勢がよかった、「ふざけんなコラァ!うちらは嵌められたんじゃ!被害者なんじゃ!」 怒号を飛ばすヤクザに市川は対抗した「何が被害者だコラァ!真実は後できっちり聞かせて貰うぞ」ヤクザは市川や警察を睨み付けながら連行されていった、事務所を探っていると羽鳥はふと疑問が浮かんだ、「おい、そう言えば若頭の松岡の姿が見えないぞ?」そう言うと松岡が不在であることに皆が気がついた、「どこに消えた?」。
関武連合本拠地では、「関武連合二代目神田会長が就任した僅か数時間後に身内のヤクザに殺されるという事は神田は、会長の器ではなかったと言うことだな」名だたる強者のが揃う幹部達の前に立ちつくす獅子神は笑みを見せながら皆に話した、「裏切り者は既に処分してある、この緊急事態を救うためにこの獅子神は新たに関武連合の後を継ぎ島を広げていく!」威勢よく獅子神は言い放つと、幹部達の顔付きは真剣な顔に変わり獅子神にでかい返事で応えた、組織は獅子神に代が変わると以前のギスギスとした空気が漂っていた雰囲気は完全に払拭された、会議を終えると獅子神や東條、他の幹部達もでかい広間で畳に座り酒を交わしていた、「これで邪魔な輩は完全に消えたな、ハハハハ!」東條は笑いながら話すとテーブルに置かれた小さなグラスに日本酒を注ぎ勢いよく飲み干した、「ようやく獅子は会長の座を手に取り、うちら白岩組の島は神田組の島を横取り出来て、お陰で又復活できるわい!」東條はそう言うと獅子神は苦笑した「神田組の事務所は誰に任せるんだ?」獅子神は機嫌の良くテンションの高い東條に冷静に対応した「白岩組の若頭の渡部に任せる事にした」 「あのヤクザか」
すると安心したかのように獅子神も酒に手をやった、しばらくの間世間話でも話がら楽しんでいると幹部の一人が水を差すかのように疑問を問いかけた、「例の抗争で警察が神田組員を次々逮捕してるみたいなんだが、どうにも事件と直接関わっている松岡が未だ捕まってないみたいだな?」すると東條の表情は驚きを見せ知らなかったとすぐに気づいた、「未だ捕まってないのか、そりゃ不安やな」東條はかたくなに表情を変えた、だが横に座る獅子神は顔色一つ変える事はなかった、「まぁ気にすることはない時期に捕まるだろう」幹部達はその後気にする事なく飲み続けた。
市川は北中央署の会議を終えると間の休憩時間に眞鍋の見舞いをしに入院する病院へと向かった、市川は軽い果物を幾つか袋に詰め足早く病室へと向かった、病室のドアの前まで来ると微かにドアの隙間から眞鍋の姿が見えた、眞鍋は病室のテレビをじっと見ている、市川はタイミングを見計らって静かに病室の中へと入った、「眞鍋さん、お見舞いに来ました」 「おぉ、市川悪いな捜査から外れることになって」 すると市川は笑いながら首を横に振った、「いえいえ、怪我は仕方ないですからゆっくり休んどいてください」そう言うと市川は手に持った袋に詰めてある果物を眞鍋に差し出した、「助かるな、ありがとう」
すると市川は眞鍋のいるベットの横に置かれた椅子に座った、「眞鍋さん、さっき険しい顔でテレビを見つめたましたけど、何かあったんですか?」市川は病室に入る前にあった眞鍋の姿を不安に感じた、「いや、北中央署は中田 徹殺害事件の容疑者が亡くなって捜査は終了なのが何か引っ掛かってな」 「まぁ今回ばかりは警察の暴力団の取り締まりが甘かったと感じます」市川も眞鍋の見つめるテレビのニュースを見つめた、しばらくニュースに出ているキャスターの話に耳を聞かせていると、病室のドアが突然開き誰かが入ってきた、「どうも、突然すいませんね」話しかけてきたその人物は記者の阿部川だった、「阿部川さん、どうしてここに?」眞鍋は少し驚き阿部川に問いかけると、阿部川は苦笑いしながら職場の事務から場所を聞き出したと話した、「眞鍋さん、今日来たのは大事な情報を手に入れまして、申し訳ないんですがそちらの若い子には席を外してもらっても?」 そう言うと市川は素直に阿部川の用件を聞き入れ、病室から出ていった、「大事な情報とは何ですか?」 眞鍋は阿部川のニヤニヤと笑う表情に不安が募った、「実はあの日からしばらく神田組の神田を追跡調査してたんですが、驚かないで聞いてください、」 「えぇ」
「又同じように神田の動向追っていたら、一人の男が、恐らく位の高い人物だと思うんですが、夜に突然その男と車で走り出しましてその車をひたすら追ってると港に車が止まりしばらくすると、ドン!とでかい音がなりまして気づかぬ内にその男に運転手と神田は殺された、その瞬間を見ちゃったんですよ」
阿部川は話終えると眞鍋の神田顔をじっと見た、「その男の写真はこちらです」阿部川はジャケットの懐から一枚の写真を取り出した、「待ってくれ阿部川さん、壮真が神田を裏切り殺害したんじゃなかったのか」すると阿部川の表情は険しくなった、「恐らく壮真という組員は濡れ衣を着せられて、本当に殺した男はこの人物です!」眞鍋は驚きの事実にしばらく言葉がでなかった、「続いてのニュースです、元外務省大臣の殺害事件の容疑者として指名手配された暴力団組長が亡くなり警察は犯人死亡での捜査が終わるという事です。」眞鍋はそのニュースの言葉に息を詰まらせよくわからない鳥肌がたちだした、「実はもう一つ情報がありまして、中田 徹が失踪する前に何度か中田は神田組が仕切るクラブによく足を運んでいたらしく、暴力団との関係もそこで繋がり始めたんじゃないかと、」そう言い終えると阿部川は市川を呼び戻そうと立ち上がろうとした瞬間眞鍋に足を止められた、「捜査は終わったんだ、阿部川さんあなたはこの事を私以外に話した人は?」すると阿部川はすぐに首を横に振った、「いえ、未だお話ししてません」すると眞鍋は病室の窓を見上げた、「本当の罪人を逃がすわけにはいかない」眞鍋はギュットベットのシーツを握りしめた。
午後2時18分、元神田組事務所は今白岩商事という名前で事務所を設立した旧白岩組組員は事務所へと集まった、「こんなにでかいとは随分といい仕事を神田はしてたみたいだな」組長の部屋の椅子に腰掛ける渡部は呑気に煙草を吹かした、「組長、どうやら外から配達が届いたと中で言ってます、通します?」渡部は手で応え通して良いと組員に伝えた、配達員は騒がしいオフィスの中を通り抜け組長室へと入った、「ご注文したマルゲリータピザです」配達員は中へ入るとすぐに運んできたバッグの中をあさった、「?、おい、誰だピザ何か注文したのは!」 渡部は頼んでもいないピザの注文に中のオフィスに届く声で組員に訴えた、「これは幾らでしたっけ?」ドアの前で立つ組員は配達員に質問を問いかけた瞬間、配達員は拳銃を取り出した、「バーン!」配達員は前に立つ組員を撃ち殺した、渡部は慌ててデスクに入れてある拳銃を取り出そうとしたが渡部の側で弾が飛んできた、「早く始末しろぉぉ!」すぐに銃声に気づいた組員達はすぐに部屋へと入り拳銃を持った配達員を撃ち殺した、「一体誰だこんなやろぉ中へ入れたのは!!」 「組長です、」 渡部は急な襲撃で落ち着く事が出来なかった、「クソ、すぐに田中を病院に連れてけ」 「はい!」白岩商事は更に騒がしく慌ただしくなった、
この襲撃から数時間後すぐに関武連合本拠地へ幹部達は集まった、「どういうこっちゃコノヤロウォォ!、内の組員は死にかけたんだぞわかってんのかゴラァァ!」東條は集まる幹部達の中でもっとも怒りを露にしていた、「東條わかっている、だが今は落ち着いてください」獅子神は変わらず冷静に東條を促した、東條は気に食わぬ顔を見せながら煙草を吹かした、「今日の午後一気に白岩商事、そして内の指揮していた新宿のクラブが何者かによって襲撃された」獅子神は怒りを抑えながら淡々と話続けた、すると東條は机を叩き話を遮った、「犯人は誰か解っとる!」 「まさか?」 「松岡や残る残党ヤクザの仕業やろ、ならわしらは本気で叩き潰すしかないんやないか?」東條は強い目付きで獅子神に問いかけた、すると会議をしている大広間の襖から渡部と二人の組員が入ってきた、「兄貴突然で申し訳ありません、襲ってきた殺し屋どれも中国人だと言う事がわかりました!」 「中国人?」東條はしばらく頭が真っ白になった、「ハハハハ、そう言うことか!」突然獅子神は笑いだし立ち上がった、「奴らそう言えば堅気だったな、」すると獅子神は大広間から突如出ていってしまった。
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