緊急事態
夜の9時、壮真が運転するワゴン車はコンテナの倉庫へと入っていった、入るとすぐに車を止め気絶状態の前田を持ち上げ助手席から降ろした、「くそ、重いなこいつ」回りを見渡しながら何とかコンテナの前へと運びだした、シャッターを開けると神田組が所持している武器がぞろりと置かれ武器庫のようになっている、この中で前田の足を引きずりながらコンテナの中へと取り残し、すぐにシャッターを閉めた、計画が進んでいるなか最初の壁を突破したことに壮真は一息ついた、額には妙な汗が吹き出している、すると壮真は運転席に置きっぱなしの携帯を取り、眞鍋へと電話を掛けた、「眞鍋さん、今薬物を手に入れて、邪魔な奴は片付けました!これから合流地点に向かいます」 電話越しの眞鍋は待ちくたびれたかのように話していた、「大丈夫なんだよな?壮真、」 「えぇ、まぁ何とか計画は順調です、それじゃあもう時間が無いので電話切ります」電話を切るとすぐに運転席に乗り込み倉庫を去っていった、数分後ワゴン車の向かう合流地点に向かう最中助手席に前田が落としていった携帯の着信がやたら鳴り響いていた、どうしても気になり着信相手を見てみると、相手は松岡からだった、
その頃神田組事務所では、「どこのだれが!殺りやがった💢!」獅子神からの電話に松岡は激昂していた、「頭!落ち着いてください」慌てふためく事務所内は怒号となんとか制止しようとする組員の揉め会いになっていた、「おい!、電話変われ」組員が獅子神と通話していた携帯を松岡は奪った、「松岡です、獅子神さんは無事でよかったです、ほんとにあの壮真と前田の野郎が裏切ったんですか?」
松岡の表情は憎しみへと変貌していた、それは何人かの組員も同じだった、「間違いない、俺はこの目であいつらが神田を襲ってきたのを間近で見てた、俺は何とか無事だったが、マフィアから受け取った薬物は持ち逃げしてどこかにいきやがった!」 松岡は手に持つ携帯を強く握りしめた、「頭、殺りましょう、親父の無念を晴らしましょう!」組員は復讐を誓おうと松岡に懇願した、松岡は組員達の顔を見つめると又獅子神に話しかけた、「獅子神さん、裏切り者は俺らが粛清します、あとは任せといてください」そう言い放つと、松岡は電話を切った、そしてゆっくりと松岡を見つめる組員達の前に立った、「皆やることはわかってるな」組員それぞれが強い目付きを見せ頷いた、「いくぞ!、オラァァァァァァ!💢」腰につけてある拳銃を取り出し事務所を飛び出していった、電話を切られた獅子神は携帯を見つめると、ニヤリと笑みを溢した、そして行方を追うために松岡は何度も前田の方へと電話をかけていたのだ、「何で壮真さんが?前田に電話を」ハンドルを離せない壮真は走る道路の信号が赤信号になった瞬間に助手席に置かれた携帯を手に取り電話に出た、「すいません今前田が電話に出られない状況で私が変わりに」 すると電話越しには怒号が飛び舞う音で鳴り響きよく聞き取れなかった「壮真ァァァァァァ💢!、どこにいやがるんだゴラァァァァ」壮真はよく状況がわからずにいた、「松岡、どういう事だ?」
「よう、とぼけた事が言えるな裏切り者」 そう聞くと、壮真は急に驚き、恐怖を感じだした、すると信号は青に変わり車の速度を大幅に上げだし走り出した、「まさか!嘘だろ、バレたのか!」冷や汗を大量にかきだしハンドルを握りしめた、車はもうスピードで近くの車を追い越していく、「壮真ゴラァァァァ!」通話中であった電話を慌てて切り前を振り向いた、「チッ💢」 組の車で移動する松岡達は懸命に車を走らせている、すると後部座席に座る舎弟の一人が松岡に話しかけた「兄貴、たった今GPSでどこにいるかハッキングできました、」 「見せろ!」 松岡は居場所を確認するとスピードを上げその位置に向かい走り出した。
壮真との合流地点で待つ眞鍋は車のなかひたすら腕時計で時間を確認した、するとポケットから着信音が聞こえた、電話の相手はついさっき連絡してきた壮真だった、「どうした?」 すると電話越しの壮真の声は情緒不安定になっていた、「眞鍋さん!!大変なことになりました、全部計画がバレた、」 「何だって?!」 「バレたんだよ!」 眞鍋は急な不安が押し寄せた、「どこでバレたんだ?」 そう問いかけるが壮真は冷静さを失っていた、「と、とにかく今は早くこっちに来い、話はそれからだ」 。
20分後、壮真の乗ったワゴン車は合流地点へと到着した、すぐに眞鍋は乗っていた車から降りワゴン車の運転席の方へと走っていった、「おい!、壮真」車内にいる壮真は着いているのにもかかわらず、ずっとハンドルを握りしめていた、「まぁ落ち着け、一体何が起きたのか教えてくれ?」青ざめた顔をする壮真の顔はとても深刻なことだと眞鍋は察知はしていた、「さっきこっちに向かう途中連絡が入って、相手は内の組の若頭の松岡からで、裏切り者!って言い放って自分たちの事を追っていると」壮真の冷静とした雰囲気はもう失っていた、その壮真の話した事にしばらく眞鍋は頭を抱えた、「あ!待て薬物は、どこに積んである?」壮真は後ろに積んであると言い放つとすぐに眞鍋は後ろのドアを開け薬物の入ったケースを確認した、「こんなにも、大量に」眞鍋は予想を反した量に驚いた、「とにかく壮真、俺は今から署に向かう、お前はとにかくどこか遠くに逃げろ!」壮真は小さく頷き応えた、すぐに眞鍋は大量に薬物の積まれたケースを警察官車両へと運んでいると、壮真も落ち着きを取り戻しケースを運ぶのを協力した、「これで計画は成功だな、あの神田を潰すことが出来るじゃないか」壮真は苦笑した、すると何台かの車が勢いよくこちらに走るエンジン音が聞こえてきた、「まさか?」慌ててケースを車両に入れると、三台の黒い車両が眞鍋達のいる駐車場の入り口付近で止まった、すると真ん中に止まってある車のドアが開いた、出てきたのは松岡だった、「壮真ァァ!どこに逃げていやがるんだコノヤロウ!」すると近くの組員何人かが松岡に疑問を投げ掛けた「頭、あれパトカーじゃ?」 すると松岡はしばらく状況が把握できなかった、「どういことだ?!」 すると壮真はすかさず車両に乗り込んだ、「眞鍋早く動かせ!」壮真は眞鍋に向かって叫んだ、「警察だろうが関係ない、ぶっぱなせ、」そう言と松岡は所持している拳銃を壮真のいるフロントガラスへ発砲した、「バン!」壮真は驚き下へと体を潜り込んだ、眞鍋は慌てて運転席へと向かおうとするのを銃弾が撃ち込まれるせいで運転が出来なかった、眞鍋は意を決したかのように懐にしまってある銃を取り出し当たらないように圧をかけるため三発発砲した、そして一瞬の隙を見て運転席へと乗り込んだ、「逃げるぞ!」眞鍋はすぐにエンジンをかけハンドルを握りしめた、前を見ると時々ガラスに弾が弾かれていく、車はもうスピードで前に止まる松岡達の車に激突した、慌てて車両から離れる松岡達はひたすら撃ち続けるが、そのまま車両は突破して行った、警察車両のフロント部分はボロボロになりながらも追ってから走り去る、しかし松岡達はなおも二人を追いかけて来ている、怯える壮真を前に眞鍋は必死になってハンドルを握りしめる、「どうなってるんだよ!チクショウ!」。
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