模試は苦行という固定観念をぶっ壊す

stso

模試

 まず、本題を語る前に言っておくことがある。


「模試が苦行?!そんな訳があるか!自分の実力を測る絶好の機会であり、苦手な分野の特定にも役立つ。学習において、最も重要な行事ではないか。」


と思われる方もいるだろう。そう思うことはもちろん正しいことだし、学生も皆、そんなことはわかっているのだ。


それでも、「模試」という言葉を目にすると、


「うわぁー、今週末模試かよ。せっかくの日曜がただの苦行になるじゃないか。予定も狂うし、最悪だ。」


と、思う学生はたくさんいる。少なくとも、自分も含めて、周囲の友人はそうであった。


 では、模試の何が嫌なのか。最大の原因は、試験会場に長時間縛り付けられ、ひたすら頭を動かし続けないといけないことではないかと思っている。


そしてこの世に多く存在する模試の中でも、とりわけしんどいのは、共通テスト模試では無いだろうか。理由をいくつかあげよう。


 まず科目が多いことだ。社会に始まり、国語、英語はリーディングとリスニング、数学2科目、そして理科。しかも多くの人は、社会と理科のどちらかが2科目。今挙げたように、とにかく科目が多い。科目が変わるごとに、頭をリセットするので、科目が多い分、余計に疲れてしまう。恐ろしいことに、ここにまだ科目を追加しようとしているらしい。大事な科目なのだろうが、本当に増やす必要があるのだろうかと思ってしまう。

とはいえ、科目の多さは本試でも同じなので、模試がしんどいという理由としては微妙かもしれない。


 では、模試限定の辛さとは何なのか。それは1日の間に全科目の試験があることである。これの恐ろしいところは、ほぼ全ての科目で試験時間は1時間以上であるにも関わらず、1日で終わらしてしまうところだ。


 そのため、約半日ほど試験会場に拘束されてしまう。学校のテストが悪くて、補習にかかってしまうことをバビロン捕囚(補習)と揶揄することがあるが、これこそある種現代のバビロン捕囚のように思える。


 ここまで共通テスト模試のしんどいところ、というか嫌なところを述べてきたわけだが、正直な話、例にあげるのは共通テスト模試じゃなくてもなんでもよかった。それこそ大学別模試だって似たようなものなのは、受けたことがある人は知っているだろう。とにかく、模試はしんどいもので、「苦行」のように感じるということが言いたかっただけである。


 前置きもこの辺りにして、そろそろ本論に移ろうと思う。ここまで盛大な前振りをしておいてなんだが、本論はそこまで大した内容では無いので、予め了承していただきたい。


この話で紹介したいのは模試に対する心象をひっくり返すかもしれない、ある実質理論である。そもそも実質理論とは何なのかと思われる方もいるだろうが、この先を読んでいけば自然と分かるので、気にする必要は無い。

なお、実質論(民法)や実質説(唯物論)などと名前は似ているが、全く関係ないし、そんな高等なものでもない。


 唐突だが、遊園地に行ったことはあるだろうか。入場料を払い、そこにある様々なアトラクションで楽しむ施設である。「そんなこと説明されなくても分かるわ!」と思われるだろうが、少し考えてみてほしい。


『「模試」って「遊園地」によく似ているではないか!』


と気づいてしまうのではないだろうか。

 共通項を順に挙げていこう。

 まず、模試は受験料を払う。

 遊園地は、入場料を払う。


 模試は、その場(試験会場)で、様々な問題を解く。

 遊園地は、その場(園内)で、様々なアトラクションに乗る。


 模試は終わると、疲れる。

 遊園地は、遊び疲れる。


 なんと、模試と遊園地は非常に多くの共通点があるのだ。このことから、模試の問題を解くことが、遊園地における何に当たるかを考えてみると、なんと、アトラクションで楽しむことに当たるのだ。つまり、模試は実質、遊園地であり、楽しいものであるという結論を導く事ができるのだ。


 ここまで読んでみると、最初は模試は苦行だと思っていた人も、楽しいものと思えるようになったのではないだろうか。「…なるわけねぇよ!」と思った人は、何度も読み返して、「模試は楽しい!」と頭に刷り込んでいただきたい。この革命的な実質理論をいかして、学生の方々には、模試を乗り切って欲しい。



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