第481話 3度目の結婚の儀
婚約してからと言うもの、毎日様にケリー嬢がやって来て当たり前の様に夕食を食べてから帰って行く。
爵位を貰ってこれまで、アマリスの教育的指導もあって子供等との食事を禁止されてしまっていつも寂しく1人で食べてた俺にとっては、久々の談笑しながらの美味しい食事であった。
ケリー嬢だが俺と一緒に取る食事を優先していたのもあるが、実は我が家の食事の美味さにヤラれてしまったと言う気配もある。
何時も嬉しそうに微笑んで目を輝かせながら食べて居る。時々料理名を聞いてメモに何かを記録したりして、食事のメニューを覚えようとしている様子である。
こうした日常が俺の心をドンドンとケリー嬢に惹き付けて行く様であった。
そして、徐々に前世の妻達の事を思い出の1ページとして諦めると言うか割り切る事に成功した様だった。
半年の月日が経っていつの間にかケリー嬢が居る日常が当たり前になった頃、2人の結婚の儀の当日を迎えたのであった。
この世界のけっこんの儀は一応、教会で結婚の報告をフェザー様に祈って祝福を得ると言う感じになるのだが、2人と
石像が輝いて俺もケリー嬢も神界に呼ばれて居たのであった。
「2人共よくぞ参ったのぉ~。更に結婚祝福するのじゃ。」と言う何時の通りのフェザー様。
ケリー嬢は神界に呼ばれるのは初めての事なので軽くパニック状態になっている。
なので、
「ケリー嬢落ち着いて聞いてくれ、俺は一応使命を貰って転生した者なんだ。なので時々こうして神界に呼ばれて報告したり相談したりしていたんだ。」と説明すると、
「つまり、マルス様は使徒様と言う事でしょうか?」と驚いた様子訊いて来る。
「そんな大層な者じゃないと思うけど、まあ文明を発展させると言う使命を負ってはいる。それを使徒と呼んで良いのかは不明だが。」とおれが答えると、
「何じゃ、お主、使徒の自覚無かったのか?そもそも創造神たる妾の命を受けておるのじゃ、使徒に決まっておろうぞ!?」と会話に横入りして来るフェザー様。
それを受けて「すまん、使徒らしい。」と付け加える俺。
しかし、ケリー嬢はそこで納得した様に、
「なる程、だからマルス様は素晴らしい物をツイから次へと開発して世に出されているのですね。」と言って大きく頷いていたのだった。
「まあ、それもあるが、全て前世で開発した物や在った物を此方の世界で再現したに過ぎないがな。まあだから、俺は見た目以上に中身はお爺さんなんだよ。こんな俺と結婚して本当に良いのか?いまなら後戻り出来ると思うが。」と問うと、
ケリー嬢は俺の両手をシッカリに握って、
「何を仰いますか、もう夫婦ですよ。死が2人を分かつまで一緒に居るのです。」と硬い決意を込めた口調で語るのであった。
「ありがとう。今世は下らない事でウッカリ死なない様に気を付けるよ!だから宜しく頼むな。」とお願いするのであった。
結局何で神界に呼ばれたのか判らなかったが、女神フェザー様から直々の祝福を受けて教会の祭壇の前に戻って来た俺達2人は正式に夫婦となったのであった。
尚、神界から戻った後、フェザー様の石像が光った事について同席していた宰相閣下とその家族がザワついて居たのだが、特に俺達を問い詰める様な事は無かったのだった。
勿論、ケリー嬢も神界に呼ばれた事を家族に告げる事も無かった。
こうして、そのまま我が家の王都邸に移動して、招待客と宰相閣下の一族との結婚披露パーティーを開催したのだった。
この招待客には主要貴族を招く必要があり、非常に残念な事に家の実家のドルビー家を招かざるを得ない事態となって、絶縁したつもりが微妙な状態になったのであった。
とは言え、興味すら無く、酷いイビリにあって居てもほうちしていた父親が今では自分よりも爵位が上となった息子の結婚の披露パーティーにどう言うスタンスで挑めば良いのか本人も迷って居るらしく、終始微妙な表情であったのだった。
こうして、俺の3度目の結婚生活はフェザー様のサプライズはあったものの好調?に始まったのであった。
まあ今思えばこうして神界に呼んで貰った事によって、嘘偽り無く『本当』に使命を与えられて居る事が証明された訳だから、夫婦間の隠し事が無くなって良かったと言う考え方もあるなと思うのであった。
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