第454話 反撃の狼煙 その1

開かれた戦端の最初の一手として俺は我が家の家族総出によるミスト・バーンを選択した。


国境の城壁の向こう側に集結する軍勢に向かってミスト・バーンの気化燃焼魔力を注ぎ込む俺、コーイチロー、コージロー、マーガレットにヘルプで嫁ぎ先から駆けつけたマリコちゃんにマコちゃん。


6人掛かりのミストが辺り一帯を靄の中に包み込んで俺のカウントダンウンの0と同時に息を合わせて爆発させるとチュッドーーン!と言う爆音の一瞬後に地響きと国境の城壁伝いに衝撃波を感じる俺達。


勿論俺達の陣営の兵士は全員口を半開きにしているのでダメージを負って無い。


そして国境線の向こう側に居た筈の1万近い敵の軍勢は死屍累々の状態となって全滅と言って差し支え無い状態であった。そしてローデシア王国の指揮官達の本陣がちょっと離れた場所に在ったのでそれを極光のレーザー・ソードで横薙ぎにテントごと切り払ったのだった。

これで、南部戦線は我がオオサワ家の面々によるオーバーキルで幕を閉じたのであった。


残るは西部の辺境伯が収める国境地帯の西部戦線及び西北戦線である。


この2箇所は王宮魔法師団及び国軍が増援部隊として駆けつけて居るが、敵の軍勢の総数が多くて後手に回って押され気味であると言う。


俺は西部の国境の守備隊を残して、全員で西部戦線へと出向いたのであった。


「おお、オオサワ侯爵!!よくぞ参られた!」と満面の笑みで出迎えてくれる西部要である、ラッフェル辺境伯。


「どうも、ラッフェル辺境伯、お久し振りです。戦況は如何ですかな?」と挨拶もソコソコに戦況を尋ねる俺。


どうやら、初手で家の様に大型の魔法を使う前に混戦になってしまった様で、王宮魔法師団が到着した時には既に排除仕切れない状況に陥った様である。




結局一旦前線に出てしまった兵を一旦退かせて国境の城門を閉じた後に範囲攻撃を仕掛けると言う事になったのだった。


それまでの間に負傷兵の治療等に時間を当てて体制を立て直し一気に勝ち進むと言う手筈である。


今回はミスト・バーンは使わず、前々から構想を持って居たメテオ・インパクトを使おうと思い立ち、敵陣営の真上の遙か上空に移動してメテオ・インパクトを発動した。


気密シールドを張った状態で成層圏に近い位置にフォース・フィールドの足場を作って陣取り、巨大で高圧縮な砲弾型の隕石を作り出して真下の地上に向かって高出力で家放った。



直ぐに赤く待機との摩擦熱で燃え盛って落下して行く砲弾型の隕石。俺は直ぐに地上にゲートで移動して、その一条の光を放って落ちて来る隕石の行方を見守るのであった。


「着弾するぞ!!!全員備えろ!」と号令を掛けてその一瞬後にアムール王国全土に響き渡る地震が観測されたのだった。


その着弾衝撃波は爆発の火力こそないものの、敵兵を揉みくちゃに吹き飛ばしてしまいして殆どの兵が骨折を伴う重軽傷を負ったのであった。


こうして、西部戦線は圧倒的な大勝で幕を閉じ、俺達と王宮魔法師団はそのまま北西戦線へと足を向けたのであった。


さて、王都に一番近い北西戦線だが、俺達が西部戦線に時間を食っている間に国境を破られてしまっており、かなり拙い状況である。

しかも、敵はこの西北戦線におおくの魔法使いを投入しており、それで後手に回ってしまっている。我が方の損害も甚大で、既に砦1つ分は踏み込まれて居る感じである。


俺達は国軍と合流して、対敵魔法師団戦を行う事とした。


敵の魔法師団の魔法攻撃は一般のファイヤーボールやファイヤー・アロー程度である。


ムカつくので同じ火属性魔法で格の違いを見せつけてやりたいが、敵の魔法師団は分取られた砦の中に陣取っていて下手な大規模攻撃を掛けると我が方の砦が壊れてしまうと言うジレンマに陥ってしまうのであった。




結局、隠密モードで砦内に潜入して食料等の軍事物資の奪取をして兵糧攻めにしようと言う事になって、王宮魔法師団の精鋭5名によって結構されるのであった。



これは最初手慣れた所で俺が行こうとしたのだが若い者達の経験の場を奪うのは良く無いとの王宮魔法師団長の言葉に納得してしゃしゃり出るのを止めたのであった。


こうして一見地味な兵糧攻め作戦が開始されたのであった。


3日に渡って潜入し兵糧等の物資の置き場を探し出し3日目の夜中に一気に前物資を奪取する手筈である。


幸いな事に、俺のオオサワ商会が販売してるマジックバッグで管理して居るらしく何個かのマジックバッグを闇に乗じて奪取すれば良い簡単なお仕事であった。


しかしこんかの一見で思ったのだが俺の発売して居るマジックバッグや魔法のテキストと言い、どれも海外には輸出すべきじゃ無かったな・・・と今更ながらに反省するのであった。

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