第395話 フローツマン王国戦 その2

漸く俺がフローツマン王国の王都に辿り着いた頃、おれが通報したフローツマン王国の後発増援部隊が合流を果たし、マグレス砦の100m程前に取り巻く様に陣取って居た。



その数14000名。


ラージ(パパン)率いる何度かの突撃によって1000名程削って現在の数へとなっていたが、マグレス砦の増援部隊はまだ到着せずに籠城を強いられている状態である。



そんな状態とは知らぬ俺は、フローツマン王国の王城のマーキングも終えて王宮へと意気揚々と何時でも攻撃可能とご報告してマグレス砦の上空へとゲートで一旦戻るのであった。


フォース・フィールドの足場から見下ろしたマグレス砦の周囲にはフローツマン王国軍に取り囲まれて非常に良く無い状況に見える。



俺は一旦、パパンに上空から連絡を入れて状況の確認を取る事にしたのであった。


「お父さん、トージだけど、何か進展はあった? 今戻って来たんだけど、貴族共の増援はまだっぽいね?」と俺が尋ねると、


「そうなんだよ。まだ人っ子一人きやしねぇぞ!! 戦争舐めてるのか?」とお怒りのパパン。


「判った一旦王宮に再確認してみるよ。」と答えて電話を王宮にかけ直すのであった。


「国王陛下、これ以上待っては我が方にも不必要な損耗が出ます故に一旦砦の周囲の約14000名を殲滅させて貰いますが宜しいですね?」と現場の状況を伝え待ってられない事を納得して貰ったのだった。


こうして無駄に時間を掛けた戦は一気に動き出す。



まず、将軍と作戦を話し合って、まずは魔法攻撃の先制攻撃によって前衛の混乱を作り出してその直後に俺とマリーのゲートで敵の後方にパパン達を含む700名の兵を送り込むと言う作戦である。



まずは、俺が口火を切って、敵上空より、ふぁによる絨毯爆撃を敢行する。


避ける事の出来ない頭上から直下への攻撃にパニック状態になるフローツマン王国軍。


5000以上削った所へマリーのゲートでみぎがわ後方にパパン達700名を密かに送り出す。


俺も一旦砦に戻って残りの兵をマリーとは反対の左側後方へと踊り出て、混乱を極めるフローツマン王国軍に斬って入る。



結果戦いは30分足らずでカタが付き、正しい戦況を敵側の王宮に伝える伝書鳩代わりにする為に態々生かして置いた敵の司令官以下10名の生存者のみが辛うじて無事と言うフローツマン王国軍の完敗と言える状況だった。



とは言え重軽傷を負って呻き声を上げて生きてる敵兵多数居り、このまま放置も出来ないので軽く血止め程度の回復をさせて仲間の遺体を持ってこの地を去らせる事にしたのであった。



こうして血生臭い戦場に静けさが訪れるのであった。



マグレス砦の緊急事態は解除となって通常シフトに戻り、俺達は一旦王都へと戻ったのであった。



さて、この戦争の落とし前であるがどうするのかが一番重要である。



そのそもであるが、俺の知る限りフローツマン王国とはそんな怪しい間柄では無かったと記憶している。



何故急に邪教と言う絡め手まで使って牙を剥いてきたのかが不思議なのだ。


まあ俺の疑問と同じ事を思って居たのは王宮側も同じだった様で、国として結局このまま何も無しと言う訳にも行かず、王都への帰還早々にフローツマン王国の王城を攻める話になってしまったのだった。



さて戦の原因は兎も角、やれたからにはキッチリそれ相応のケジメを付けて貰わないと国際社会から舐められてしまう。


やりたいとかやりたく無いの問題では無いのだ。


してどの程度やるのか?がもんだいだが、フローツマン王国が無くならない程度と言う事で軍議のケリは付いた。


結局作戦はワンパターンではあるが、対フランツ王国戦の時と同様にゲートで乗り込んで王城を占拠すると言う事になったのであった。



そして、作戦開始は俺が先に潜入しフローツマン王国の王城の宝物庫などを空っぽにしてから決行と言う事になったのだった。


取れる戦争賠償金を先取りするのが目的である。


俺とマリーが隠密セットで潜入し、敵の宝物庫や金庫、食料庫等を探し当てて、中に入って2人掛かりでホイホイと中身を強奪する。


途中で余りにも根刮ぎなので、こんなに貰って良いの?と聞かれたが、それが任務だと答えて置いたのであった。


フランツ王国の時は1人だったので数日掛かってけど、今回は2人掛かりなのでペースが良い。


そして最後に城壁をスカスカのボロボロにしてから王都に戻ったのであった。






こうしていよいよ作戦実行の日となった。


俺とマリーとで手分けして、国王の寝室や謁見の間等に1000名からなる突撃部隊を送り込んでから、俺達もその後に続いた。


突如として降って湧いた俺達に敵の衛兵も近衛兵達も全く為す術も無く全員取り押さえられてしまって反撃すら出来ずに終わったのだった。

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