第256話 久々のライフ・ワークへの復帰 その1
先日復興工事の報酬と言う事で家のお店の休業補償も込みらしく、王宮から多額のお金を商人ギルド経由で頂いた。
マッシュにお願いして、参加した家の子者全員に一律同額で振り込み直して貰ったが参加人数と金額が多かったので振込依頼用紙の記入が大変だったらしい。
「マッシュよ、何時も面倒事を頼んでばかりですまんな・・・そしてありがとう。」。とお約束の『それは言わないお約束よ!』とは言ってくれないマッシュにお礼を言っておいたのだった。
因みに家の子らはみんな、非常に高給取りで歳の割に小金持ちである。
普段の生活にほぼお金が掛からない為、貯まる一方で使う必要が少なく、俺が孤児院に寄付して居るのとは別に、世話になった古巣の孤児院に殆どの子が仕送りをして居るらしい。
だから、一期生が家に来て以降、マッシモの孤児院は非常に潤沢な資金で以前とは違って子共にひもじい思いをさせる事無く平穏に暮らして居る。
服だってサイズが会わないボロボロビリビリと言う事も無くなっているし、裸足の子共も居なくなっている。
マッシモだけでは無く、スカウト・キャラバンでバンバン連れて来た王国内の多くの孤児院でも同様の状況になっている。
幾ら全く悪い事してなくて自分の才覚の恩恵で稼いだ正当な報酬だと言っても自分だけが儲けて裕福ってのは凄く後ろ暗いと言うか罪悪感を持ってしまうので、せめて孤児院の子共が幸せで平穏に暮らせるのは嬉しい。
何と言うか、自分も幸せに暮らして良いと言われて居る様な気がするし。
何と言っても、この高性能な身体と『女神の英知』はやはりこの世界ではチートだし。気持ちぐらいは控えめにして置いた方が反感や妬みを買わないだろう。
まあ、孤児院の財政状態は劇的に良くなったし、他に俺が余る程持って居るお金で出来る事って何だろうな?
あと思い付く限りだと支援すべきなのは、シングルで子育てしている家庭だろうか?
これも、この世界ではセーフティーネットが無いので公的な支援は皆無なんだよね。
働いてる間に子共を預かってくれる保育所とかの施設がないので、シングルの子育て家庭は非常に苦労し、結果子共が孤児院行きになるパターンが多いのだ。
まだまだ俺の口座には潤沢な資金が唸っているので、保育所や、シングル子育て家庭用の寮とか作ればもっと根本的に孤児院行きになる子が減るかも知れないな。
やっとマッシュが落ち着いたばかりだから、もう少し休息を入れた後に提案してみよう・・・。
マッシュと言えばそろそろリンダとゴールインして良い頃合いじゃないのか? 今度時期的な事を聞いてみよう。もしかして俺達に振り回されている所為で言い出すのを遠慮してる可能性もあるからな。
さあ、久々のダンジョンアタックだ。
気を引き締めて90階層より先の未知の領域を制覇しよう!!
まずは久々の際の手慣らし肉コースで肉オーク肉やミノタウロスの肉を回収するだけ回収して鈍った勘を取り戻しそのまま90階層のボス部屋で久々のドラゴン討伐だと行きゴンでボス部屋に入場。
前回同様に出鼻を『黒竜丸』に魔力を纏わせ首チョンパで秒殺した。
亡骸を見るとイエロー・ドラゴンであった。イエロー?どんなブレスを吐くのかちょっとぐらい観察してからにするべきだったか?とちょっと思ったけど、それで逆襲に遭ったら意味がないので不問とした。
しかし、毎回思うのはこれがレベルのある世界なら、何レベル一気に上がった事かと少し残念だ・・・。
一般的に最強種であろうドラゴンだ、10や20はレベルアップしたに違い無い。
さあ、イエローも『時空間庫』に回収したし、次はイヨイヨお待ちかねの91階層である。
両頬を挟み込む様にピシャリと多対て気合を入れて階段を降りて行き、下層への階段の通路から明るい91階層へと1歩踏み出した・・・・。
その瞬間に俺は空中にゲートで一旦退避して、
「えーーー!!」と思わず叫んで居た。
今までにモンスターハウスと言うのは経験あるが、階層1つ丸々モンスターハウスと言う凶悪な物は見た事も聞いた事も無い。
この階層の大きさは直径200mぐらいだろうか?
その中にザッと見ただけでも鮨詰めではないものの結構な密度で魔物がウジャウジャ居るのである。
よく、これだけ居て仲間割れじゃないが異種間で争いにならない物だと感心する程だ。
魔物の種類は様々で、オーク、リザード系、ミノタウロスも混じって居るし、サーベントも居ればスパイダー系も混じって居る。
今までの階層に居た奴らの同窓会かよ!?と言いたくなるごちゃ混ぜ状態である。
こんな数マトモに相手なんてしてられない。
それに、亡骸の回収なんてとてもじゃないが出来ないと考えた方が良いだろう。
おっと、上空で油断してたら、鳥系の魔物まで居やがった。個別に鳥系の魔物に対応しつつ、これらを一気にやっつける方法として、久々の『ミスト・バーン』で行く事にしたのであった。
気化した魔力のミストを空中からバラ撒いて行く。
結構広い空間だけに必要とする魔力量も結構な量で、ボヤボヤしていると、空中に飛んで来る魔物の餌食になるので、魔力消費量を度外視してバンバン景気良く使って、一見して白い靄の様なミストを撒き終えた俺は、逃げる為のゲートを発動しつつみすと・バーンを遅延は都度させてあわてて、ゲートへと飛び込んだのだった。
俺がゲートに飛び込んでゲートが消える直前に、「ドッパーーン!」と言う重低音の爆発の衝撃波が伝わって来たのとゲートが消えるとがほぼ同時であった。
結構な魔力を込めた力技であったが、それだけに凄い事になっていそうである。前に『ミスト・バーン』を使ったのはかなり前だったけど、余りの威力に当面禁じ手にした様な記憶があるし、今回はどんな地獄絵に変わって居る事やら。
もっともダンジョン自体は非破壊らしいから、底が抜けるなんて事はないだろうけど・・・。
俺は避難先の魔の森の小屋で30分程時間を潰してから、再度91階層へとゲートで舞い戻ったのであった。
まるで悲惨な空爆直後の戦場のような91階層の様子。非破壊の筈の床も所処クレーターになって、床の上には色々な魔物の死骸が折り重なったり飛び散ったりしてて、とても回収して使えそうな物は無い。
まあ、コツコツと魔石を集めれば良い金額になるんだろうけど、戦場の死体漁りの様でそう言う気さえ起きもしない。
そもそもだけど、この第91階層はこの階層丸ごとモンスターハウスが正常な状態だったのか、実はダンジョン異常が起きていてこの味噌糞一緒の状態だったのかが判らない。
一定期間を空けて再度91階層を見てみるひつようがあるだろう。
あ!宝箱を発見した!!! ラッキー!
やっぱり、階層丸ごとモンスターハウスの線が色濃いいかも知れんな。
さて、今回の宝箱はなんと金色である。よくぞ虐殺してくれたって事かな?
さぁ~て何がは入っているやら楽しみである。
「金箱オープン♪♪」と自分で雰囲気を盛り上げて蓋を開けると
中には漆黒のローブと漆黒のブーツのセット。正に魔王コスに使えと言わんばかりの色合いで、これまた見事な漆黒っぷり。
なんかローブには効能があって、魔力を込める事で気配を遮断してくれるらしい。
まあ自力でそれは出来るんだけど、まあ効果着いてる方が嬉しいよね!
更にこの漆黒のブーツに関しては、魔力を込める事で空中に足場を作って高機動で移動出来るらしい。
わーい、それもフォース・フィールドの足場を使って自前で出来る事だよ。
うーん、きっとこれは当たりと言えば当たりなんだろうな。
俺にはどちらも微妙な感じだけど、欲しい人には欲しい効果なんだろうか?。いっそ、オークションに出しちゃう?
と何か贅沢になっちゃって、微妙に喜べない俺だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます