第7話 ペイドルの町

 ペイドルは、緑豊かな丘陵地帯に位置する小さな町で、周囲には森林や小川が流れ、自然が豊かに残っている。


 町の周囲には多くの農地が広がっており、農作物が豊富に収穫されているってベンさんが言ってた。


 町の中心部には、小さな商店や居酒屋があり、地元の人々が集まって交流する場となっていて、そこに冒険者ギルドがドンっと建っている。


「ここが冒険者ギルドなんですねえ」


「おうよ! 俺たちの拠点だな。ヤマト、ギルマスはなどう見ても盗賊かなんかにしか見えねえけど根はいい親父だからよ。あんまり緊張せずに楽にいけ、楽に」


「誰が盗賊だと、ベン?!」

「痛い痛い痛い痛い!! なにすんだくそオヤジ!」

 

 ベンさんがヤマトに軽口を叩くと、盗賊風なおじさんがベンさんの腕をねじ上げた。


「よう、ギルマスのギルバートだ。お前がリックが言ってたヤマトってやつか。ちょっとこっちに来な」


「はい! 僕がヤマトです! どうぞよろしくお願いします!」

 緊張しながらギルマスのギルバートに挨拶をし、後に続く。


 案内されたのはギルドの受付で、ここで登録をするらしい。


「ヤマト、お前ドラゴンを連れてるんだよな? まずは冒険者の登録をしてそれからテイムしているドラゴンの登録だ。聞いてると思うが従魔を登録し忘れたら大変なことになるからな、気をつけろ」


「はい!」


 おお、なんかアニメと一緒だ。

 受付のお姉さんは親切にヤマトに手続きに必要な書類や手順を説明してくれた。


「はい、こちらが必要な書類です。身分証明書と冒険者登録料金の支払いが必要です。また、ドラゴンのテイム許可証も必要ですので、それも登録していただく必要があります」


「はい、わかりました。お金を準備してまた来ます。ありがとうございます」


 必要な書類や、手続きを聞き終え、ドラゴンのテイム許可証の手続きも聞いた。


「では、これで冒険者として活動する準備が整いましたね。がんばってくださいね」


「はい、ありがとうございます!」


 ヤマトは受付のお姉さんに礼を言い、ニックとベンのもとへ向かう。


「ようヤマト! 無事に終わったみたいだな。冒険者になったら最初はGランクだからな。GかFの依頼しか受けられねえ。町ん中で清掃かお使い、町の近くで薬草採取からだ。しっかり働け!」

「はい! ありがとうございます! やってみます」


「ヤマト君、まずは寝る場所を確保しなきゃじゃないかな? というかお金を持ってないのか」

「あ、ニックさん。ご心配いただいてありがとうございます。お金は持ってないんですが、売るものは持っているのでどこかで換金したいんですけど」


「ん? どこに? って、ああ、マジックバッグを持っているのか。それはそれですごいな。で? 売りたい物はなんなんだい?」


「えっと、鎧とか武器とかです」


「じゃあ武器屋だね。<朱色のイオータ>って店がいいよ。俺たちと一緒に行こうか」


「何から何までありがとうございます!」


 ヤマトはニックさんたちに感謝しながら、一緒に武器屋に向かった。

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