第2話 この世界のスキル
宇宙空間のような場所で、創造神ユスチナとその背後にあるユンワールドを見ながら、お互いの自己紹介を済ませた。
「えっと、自分はこれからどうすればいいので?」
とりあえず今思っている事をストレートに創造神ユスチナにぶつけてみた。
「そうですね、これからあなた行く世界について説明しますね」
「お願いします」
創造神ユスチナが教えてくれたことは以下の事だった。
1、文明レベルは、地域にもよるが地球で言うところの2~5世紀レベル
2、魔法は存在するが回復魔法は存在せず、ケガをしたり、病気になるとシャーマンや、教会で祈る事、薬師と呼ばれる人達が作った薬を頼る事等
3、普通の人だけではなく、獣人、ドワーフ、エルフ、リンクル等多種多様の種族が生活している。
4、人と人の争いはもちろん存在する、人だけではなく魔物が存在し人々の生活を脅かしている。
5、医療については、殆どのところで各臓器がどのような働きをしているのかがまだ不明。
ユンワールドの現状を色々教えてもらった。
が、気になる事がある。
「そんな世界にいったら自分も魔物か盗賊なんかの餌食になりそうなんですが……」
「そうですね、十分あり得ると思いますよ」
「ダメじゃん!」
運命の嫁ちゃんと会う前に命を落とすとか嫌すぎる!それなら日本に残ったのに!
「冗談ですよ~、せっかく招いた方を簡単に死なせるわけないじゃないですか~」
創造神とか言う方がそんな冗談を言うのか!?
「本当に冗談なんですか……?」
「もちろん冗談ですよ~絶対健康というスキルがあるので簡単には死なないですよ~」
スキル?
「スキルってなんです?」
「説明しますね、ユンワールドの人は生まれながら1万を超えるスキルの中から2~5個のスキルが与えられるんです。そのスキルは才能や特殊能力と言ったものですね」
才能や特殊能力か。
「それで自分には絶対健康ですか?」
「はい、絶対健康とアイテムボックスはお渡しする予定ですね」
まさかの2つだけ?
絶対健康は病気にならないスキルと言ったところかな?アイテムボックスは聞いた事あるインベントリとか言われるやつだと思う。
「他にはないんですか……?」
「何か希望はありますか?」
希望制かい!
「そうですね、消毒とか空間を塵や菌が居ない状態にしたいんですけど」
手術や治療等をするのに絶対に必要になってくる部分だ。
「それなら光魔法の浄化ですね~他には?」
煮沸消毒とかの為に火かと思ったけど違った。
「誤診を防ぐ為に、レントゲンとかMRIとかできると嬉しいんですが……」
「そうですね~そんな機材は存在しませんし、鑑定とはまた違いますね~対象に触れたら知りたい部分の状態が知れる感じで良いですか?」
「相手の手かどこかに触れてれば胸部や腹部とかの状況が分かる感じですか?」
「そうです」
まぁそれならいいかな?
「それでいいんですが、触れてる時だけとか制限なしにしてくれると嬉しいです」
「わかりました。絶対健康・アイテムボックス・光魔法・触診」
触診でレントゲンとかMRIやった時の様な事が分ったらすごいな!
「あと1つくらいなにかありますか?」
ん~不安要素があるとしたら薬か?市販薬はいろいろ買いこんできたけども……。
「薬ですかね、市販薬をいろいろ買いこんできたんですが、処方箋が必要なのはないんですよね、それに持ってきたものが切れたら……」
「持ってきた物に関してはいくらでも増やせるので問題はないのですが、製薬スキルにしましょうか、レシピについてはどうしたいか思い浮かべれば、頭に思い浮かぶようにしましょう」
持ってきた物はいくらでも増やせる?
頭にレシピが思い浮かぶなら大丈夫かな?思いついたレシピは都度メモしておかないとだが、何も無いよりはましだろう。
「じゃあそれでお願いします」
「わかりました。それでは絶対健康・アイテムボックス・光魔法・触診・製薬でいいですか?」
「はい、お願いします」
「それでは最後に、何歳からはじめますか?」
何歳からか、大人と認められるのは何歳なんだろうか?
「何歳から大人として扱われますか?」
聞いてみてから思った。
この選択肢誤ったら運命の嫁ちゃんに会えないとかないよね!?
「そうですね、国や地方によって違いますが、概ね15歳からですね」
高校1年生から大人か、そんなものかな?
「15からにしたいんですが、それで運命の相手とかに会えなくなるとかありますかね……?」
「どうなんでしょうか?私には確定した未来を見る力がないので……、ただ先生がこの世界に来れば、その時点で会えると言っていました」
なら15歳でいいか、歳の差結婚とかになるのかな?
「それなら15歳からで」
「わかりました。伊東誠明、15歳 所持スキルは、絶対健康・アイテムボックス・光魔法・触診・製薬でよろしいですか?」
大丈夫だよね?
「はい、大丈夫です」
「最後に何か聞きたいことありますか?」
「ユスチナ様から自分に対してやってほしい事とかあるんですか?」
この世界に来たなら何かそういう依頼があるのかなと思ったので聞いてみた。
「特にないですよ、好きに生活して私の世界を楽しんでもらえれば」
創造神ユスチナはそう答えると、フフフっと微笑んだ。
「そうですか」
「はい、他に何かありますか?」
「大丈夫です」
「わかりました。これからあなたをとある町の近くの森の中に飛ばします。直ぐに街道に出れるので街道を左側に行ってくださいね」
「はい」
「それでは行ってらっしゃい」
創造神ユスチナ様がそう言うと、辺りが強烈な白い光に包まれた。
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