第14話 いんさくりふぁいす

真綿にくるまれたあなたが

辛酸におそるおそる舌をつける

さくら色のやわらかそうなそのくちびるがくるしみにゆがむ


のを

わたしがみあげているよこの頬にごあごあとこびりついた乾いて縮んだ笑み


ふと

足元を覗くと

そんなわたしを手を打って笑ってみているだれかが

ああ

縋りつかれておもわず蹴飛ばしてしまった

くつを片方持っていかれたわくそが


だれがいちばんえらい?

わたしのほうがぜったいにくるしみですぅぅ~!

足に繋がれた鎖の長さ比べ

そんくらいでちぬのだっさ!

わたしのほうが五万倍、頭痛がひどいですぅぅ!

みてここ!ほら!脳出てるっしょ??


あなたは

はじめての辛酸に舌を焼かれながらも

遠い足元をのぞきこんで

こころを痛めた

苦しみを知ったあなたは

底をのぞきこんでわたしたちを見下ろして

涙をこぼし

甘露を幾つも投げ落としてくれた

胸を押さえ

祈りながら


その涙に触れ

爆散

内腑より裏返りはぜた

その甘露を貪り

腐壊

触れた所から腐り落ちていった


そういうの

よくないよ

目を合わせることが

致命傷になることもあるんだよ



最後まで残った達者な口で

わたしは天使を論破した



みんなあほだし

それをわかってるとおもってる

わたしはみんなより数段浅い

あほだし

そうやってわかってるっぽく

書いてる

これを

どうか

わかってる

あなたに

わらってほしい


ほんとにこいつあほだよね

なにもわかってない


みんなでみんなを踏みあって

メビウスのわ

一番踏まれてるのだれかねぇ?






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