第5話 真相

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お風呂と身支度をすませ、ベッドに入った。

今夜も出るのだろうか。


怖かったが、昨日の疲れがまどろみを呼ぶ。

意識が遠のいた瞬間、昨夜と同じ重みを感じた。


(ひっ・・・)

だが、目の前にいたのは女では無かった。


「し、死ね・・・」

無精ひげを生やしたメタボ気味の男。


眼鏡越しの引きつった目が睨んでいる。

太い指が喉を締め付けている。


(し、死ぬ・・・)

夢中で右手を枕の下に伸ばした。


「ウギャッー・・・」

閃光と共に男がのけ反り、ベッドから転げ落ちた。


「はぁっ・・はぁっ・・はぁっ・・・」

左手で喉を押さえながら、震える右手で私は握りしめていた。


今日、買ったばかりのスタンガンを。


※※※※※※※※※※※※※※※


警察が男を連行していくのを、大家さんと共に見ていた。


男は近所に住む引きこもりの中年男。

私の部屋の前の住人の女を殺していた。


下着泥棒を見つかって、思わず殺してしまったらしい。

それ以来、ノイローゼになった男は、私を女と勘違いして殺しにきたのだ。


(にくい・・・)

女は私に男への呪いを訴えていたのだろうか。


真相は分からない。


どちらにせよ。

ここは引っ越すつもりだ。


その時、住宅街の闇の隅に白い影が見えたのは。

錯覚だったのだろうか。

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