第5話 真相
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お風呂と身支度をすませ、ベッドに入った。
今夜も出るのだろうか。
怖かったが、昨日の疲れがまどろみを呼ぶ。
意識が遠のいた瞬間、昨夜と同じ重みを感じた。
(ひっ・・・)
だが、目の前にいたのは女では無かった。
「し、死ね・・・」
無精ひげを生やしたメタボ気味の男。
眼鏡越しの引きつった目が睨んでいる。
太い指が喉を締め付けている。
(し、死ぬ・・・)
夢中で右手を枕の下に伸ばした。
「ウギャッー・・・」
閃光と共に男がのけ反り、ベッドから転げ落ちた。
「はぁっ・・はぁっ・・はぁっ・・・」
左手で喉を押さえながら、震える右手で私は握りしめていた。
今日、買ったばかりのスタンガンを。
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警察が男を連行していくのを、大家さんと共に見ていた。
男は近所に住む引きこもりの中年男。
私の部屋の前の住人の女を殺していた。
下着泥棒を見つかって、思わず殺してしまったらしい。
それ以来、ノイローゼになった男は、私を女と勘違いして殺しにきたのだ。
(にくい・・・)
女は私に男への呪いを訴えていたのだろうか。
真相は分からない。
どちらにせよ。
ここは引っ越すつもりだ。
その時、住宅街の闇の隅に白い影が見えたのは。
錯覚だったのだろうか。
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