第21話

「・・・」「・・・」「・・・」「・・・」


 気まずい。俺は今入院中だから外に行けないし、話すことも思いつかない。


ーーーーーーーー


 「それでね、まなったら」「へーそうなんだ」「それはおもろい」


 女子会が始まってる。俺は看護師に頼んで漫画と携帯を持ってきてもらう。


 その、せっかくだから話したい。いや、俺はどっちみち話せないか。

 でも氷川さんはともかく、幼馴染とはさっきそういう話をしたばかりなのに。


 嫌でも話せないか。内容何も思いつかないし、話しかけられないように漫画で顔隠しとこ。


「あのぉ・・・未来」


「!!!はい!!」

 俺は思いもしない女性の声に、声を裏返して反応してしまう。


「えっ・・・まっ!!」「あれ・・・そうなってたんじゃ」


 「・・・うそぉ・・・なんで、まちぃが」


 3人は喜び驚いている。特に幼馴染がおそらくその所を見てしまったからだろう。


「長崎さんどうして」


「あはは、私も終わったかもと思った。」


「まちぃ!!」「長崎!!」「まちぃ!!」


3人は長崎を抱きしめる。


 「みんな、心配かけたね。」


ーーーーーーーーーー


 長崎さん曰く、どうやら貴族から解放されると、自動的に復活する機能があるみたいだった。


 「聞いたよ、全部、未来のお陰だって」


「いや、俺は、そのこんなふうになるなんて思ってなくて」


「あはは、そうだよね。でも、未来のお陰で私はこうやってみんなとまた今の心を持った私で会うことが出来た。本当にありがとう」


「いや、いや運が良かっただけで、俺は助けようなんて」


「思っていたでしょ、だから二人が殺し合いかけた時に間に入った。」


「でもそれは、あくまで二人を助けようと」


「でも、未来は私達のこともずっと助けたかったんでしょ」


「それはそうだけど」


「その優しさが私を助けてくれたんだよ。」


「・・・俺は」

 真川さんの姉のことを思い出す。

 その助けようとしたことが、余計なことに繋がってしまった。取り返しがつかない程に、


 「・・・ご主人様」

 真川さんは、俺の顔を見て察してしまったのかもしれない。


 

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