第10話

ところ変わって戦場にて。テスラ川で対峙しているアルカデアとカルディナ。カルディナ兵5万に対し、アルカデア兵1万。この状況をルードベル王が


「エリック、この状況はどう思う?明らかに劣勢ではないか?」


「ええ、私にもそう思います。しかしリューベリッヒ博士の研究によると、1万の兵でも10万の兵に匹敵するそうです。」


「リューベリッヒ、研究の成果を見せてみろ。」とルードベル王


「わかりました。まずこの小娘にアドレナリンとエンドルフィン、セロトニン、ドーパミンを同時に出す薬を飲ませ、無敵な状況をイメージさせます。しかし小娘にはそんなイメージが持てません。そこでルルツの幻覚を私が新たに発明したポットで見せます。ルルツが痛めつけられている幻覚を。そこで小娘は激昂するでしょう。」とリューベリッヒ


「(ルルツ、すまない。私が止められる力があればこのようなことは...)」とエリックは思った。


カルラに薬が投与され、ルルツの残虐な映像がカルラの脳に流れた。予想通りにカルラは激昂し、兵士の形をした人形に襲い掛かった。幻覚なのでずっとそれと戦っているのである。


「全軍、突撃!」


序盤から突撃の合図がでた。弓兵も騎兵もいない。歩兵のみである。しかし韋駄天のごとく走り、一気に川を渡りカルディナ軍へと襲い掛かった。カルディナ兵も弓兵で対抗するが、アルカデア兵は矢が当たろうともびくともせず進軍してくる。恐れおののいたカルディナ兵は蜘蛛の子を散らすように一気に総崩れして退却していった。しかしそれでもアルカデアの猛攻は止まらなかった。しんがりを蹴散らし、乗り捨てられた馬に乗りカルディナ王の本陣までたどり着いたのである。


そこでカルラに鎮静剤が打たれた。そうして兵士は冷静に戻り、疲労のためぐったりとしていった。後に送られてきた2百の兵によってカルディナ王を捉えたのである。その後カルディナ王は処刑され領土はアルカデアのものとなった。


「リューベリッヒ!でかしたぞ!これもお前の研究の成果だな!ところでその小娘はどうする?まだ使えるのか?」とルードベル王


「さぁ、どうでしょう?ルルツにでも渡しておけばいいんじゃないでしょうか?」とリューベリッヒ


「また役に立つかどうかルルツに試させるか。」とルードベル王


この時、カルラは脳に酷い損傷を受け、昏睡状態であった。ルルツは牢から出され、カルラを引き取った。


「ああ、こんなことになるなんて...。1人の少女を戦争の犠牲に...。しかも何にも関係ないのに...。こんなことなら、、、こんなことなら、、、こんな研究!うあああああああああああああ!」


to be continued...

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