罰ゲームで学校一人気者の女子生徒に告白したら何故かめちゃくちゃ溺愛されることになったんだが…
ALC
第一章第一幕 罰ゲームで出来た恋人
第1話どうしてこうなった…
「成瀬ルナさん!僕と付き合ってください!」
この物語の主人公である僕こと斎藤タケルが少しだけ回想しよう。
目の前の女子生徒は学校で一番の人気者。
僕では釣り合いの取れない高みの人間。
誰が言い出したのかは忘れてしまったが仲間内でこんなやり取りが繰り広げられていた。
「ボウリングで一番点数が低かったやつは成瀬に告白な!」
そうして放課後のボウリング場で密かに罰ゲームを掛けたゲームは行われた。
そして結果は言わずもがなだった。
現在の状況がすべてを物語っている。
「は?あんまり話したこと無いよね?何で告白してきたの?無理なんだけど」
これぐらいの罵声は覚悟している。
成瀬は性格も良いと評判の高い女子生徒だが、それでも突然告白などされたらこれぐらいの事を言っても可笑しくない。
意味不明の好意を向けられるのは存外気分が悪い。
「顔だけで判断してる?私の何を知ってるの?何処が好きか試しに言ってみて?」
もしくはこの様な返答が来るかもしれない。
その場合は罰ゲームのことは口にしてはいけない。
仲間にまで敵意が向くのはあまりおすすめできない。
深く頭を下げて右手を差し出していると成瀬は僕の手を両手で掴んだ。
「は…?」
思わず素っ頓狂な一文字が口から漏れると顔をあげる。
成瀬は不自然なほどに美しく微笑んでいて少しの恐怖を感じた。
「えっと…」
言葉を忘れてしまったような感覚を覚えるとその間が非常に怖かった。
「いいよ♡付き合お?♡」
どうしてこうなった…。
何故か僕の罰ゲームから発展した告白は成功してしまう。
「あ…えっと…僕のこと好きなの?」
自分でも非常にキモい質問をしている自覚はある。
だが尋ねずには居られない。
あの成瀬ルナが僕の告白を承諾してくれている。
「好きだよ…大好きっ♡」
成瀬は僕に抱きつくとそのたわわな双丘を僕に押し付けてくる。
これは…!
全身が反応を見せるとむせ返りそうな色香に呼吸も忘れてしまいそうだった。
どうにか呼吸を取り戻すと成瀬を一度僕から離して口を開く。
「じゃあ付き合うってことで…」
何も出来ずにただ流れに身を任せると成瀬は最後に忠告のようなものを口にする。
「斎藤くん…これからは私以外の女子と話したりしたらダメだよ?♡」
その真っ黒で冷ややかな視線を目にして僕はゴクリと生唾を飲み込み頷くことしか出来ないのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。