第21話 不信感

Iさんに言われ、原稿をナレーターさんにお渡しする作業が始まること数か月…


報酬が0なのに、毎回毎回フルボッコになるくらいにダメ出しをされ、なぜか私が謝罪。


Iさんはスルーし続けていることがどうしても納得がいかず、不信感が募るばかり。


契約解除覚悟でIさんに話をすると、Iさんは謝罪してきました。


元々お断りしたことや、ナレーターさんから言われたことをライターに伝えているのか確認したところ


・元々、別の方が依頼をしていたそうなのですが、その方が契約解除してしまい、私に話が来た。


・報酬は次回から上乗せする


・ライターには何も伝えてない


とのこと。



「ライターに伝えないと、原稿の誤字脱字は減らないですよね?」


「怖いんですよね。 あのライターさん」



うん。 今すぐやめさせちまえ。 なーんてことは言えず…



毎回毎回無関係なダメ出しを食らっては謝罪しなければならないし、何よりあれだけ期待させていた単価が上がらない。


確かに、契約してから半年くらいしか経ってないけど、こんなにも上がらないもの?


Fさんは3か月おきにUPしてくれたし、Gさんも少しずつ上げてくれてるよ?


単価のことも話したのですが、「思ったよりも数字が伸びなくて、上げたいけど上げられないんです」とのこと。


これに関しては致し方ないのですが、「改善できることは改善していきます」と約束し、契約続行。



次に依頼を投げる際、なんとなく原稿に目を通したのですが…


まあーーーー酷い。


改行も句読点も入ってないから、文字が凝縮されて読みにくい。


完成度もかなり低く、「毎回こんな原稿が来たら、そりゃ文句も言いたくなるわな。」というものでした。


毎回怒られてばかりなので、せめて少しでもと思い、改行と句読点、不必要に重複している文字を削除していたのですが、この時は苦情がなかったですね。


Iさんに言うと「今後も~~~」と言われそうなので、こっそり修正し続けていました。


が、すぐにバレた。


そりゃ毎回長文の苦情が来てたのに、いきなりピタッと止まったら怪しむよねぇ~。



当然のように「今後も~~」と言われたので、金額交渉に突入すると「いるんですか?」と…


当たり前でしょ… 


払いたくないなら怖いライターにちゃんと校正するよう言いなよ…


そのことを伝えると、しばし無言。


たぶん、Iさんの頭の中で公式が出てきたんでしょうね。


その答えが『ライターの恐怖>>>>>>>>>私に対する校正料』だったのか、交渉成立。


金額を決め、話は解決したのですが、この酷い原稿に頭を悩ませる日々が始まりました。


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