第2話 エルフ宿(ムフフ店)初体験!

「えっと、すいません・・・・・・こちらはサキュバス店の永久無料カードですね」


 俺が一方の金色こんじきのカードを差し出すと、いかにも気の良さそうな水色の髪が美しいエルフの受付嬢にそう言われてしまった(二つのカードには何も書かれていないので区別がつかないのだ)。


 じゃあ、こっちか!


「すいません、じゃあこっちで・・・・・・」


「はい、こちらです! ・・・・・・でもこの永久無料カード持ってる方初めて見ました! ここに入った時にこのカードのことは最初に教わるんですが勤務してもう4年になりますけど、こうやって実物を見たのは初めてですよ! しかもお客様、サキュバス店の永久無料カードもお持ちでしたし、一体何者なんですか? もしかして大富豪の御曹司? ・・・・・・ああっ、失礼しました! このカードは決してお金の力では手に入らないものですもんね! きっとお客様は選ばれたお方なのですね!」


「そんなことは・・・・・・」


「お客様はお疲れですか? ・・・・・・マッサージなどよろしければお付けできますがどうされますか?」


「マッサージも無料でしてもらえるんですか?」


「もちろんです! このカードをお持ちの方には最大限のおもてなしをするようにと言われておりますので、当店で受けられるサービスは全て無料ですよ! ・・・・・・どうされますか?」


「じゃあ、初日なのにちょっとはりきって戦い過ぎちゃったんで・・・・・・少しだけマッサージの方お願いできますか?」


「初日?」


「ああ、いや、それはあんまり気にしないでください。本当にどなたでもいいんでよろしくお願いします」


「はい! わかりました! 当店ナンバーワンのマッサージ師に担当させますのでお疲れを存分に癒してくださいませ!」


「あ、ありがとうございます。・・・・・・じゃあ、ずっと部屋にいるんでお願いしますね」


「はい! かしこまりました! ではお部屋でほんのしばらくお待ちくださいませ!」



     

         ⚫




 あの気の良さそうな水色の髪の受付嬢に言われた通り部屋で待っていると、


 トントンッ!


 と部屋のドアがノックされた。


「はい、どうぞ・・・・・・」


 ちなみに俺はこの時点ではさほど何も考えずにただ条件反射でそう返事をしたのだ。


 だが、


「・・・・・失礼します」


 と言って入ってきた銀髪ロングの美しい緑色の瞳を持った美女の格好を見て俺はとにかく驚いてしまったのだ。


 確かに何もはっきりとは見えていないのだが、目を細めれば全てが見えてしまうんじゃないかというくらいのスケスケの薄紫のネグリジェのようのものを着た若くて胸が大きくて雪のように肌の白いエルフがそこには立っていたのだ。


「えっと、俺はマッサージを頼んだつもりなんだけど・・・・・・」


 俺がかなり動揺した声でそう言うと、そのエルフの女はニコッと笑ってからこう言ったのだ。


「もちろんマッサージですよ! ムフフフフ!」


 ムフフフフ?


 俺が頭の中でその意味ありげな言葉を繰り返していると、女はさらにはこう言ったのだ。


「オプションはどうされますか? もちろん全てお客様は無料ですからいくらでもお付けいただくことができますよ! 例えばマッサージ中に時々お客様の耳元で『大好き』とささやくオプションなんかが人気ですね! ・・・・・・あとはそうですね、同じ囁き系ですと、時々耳元で『お兄ちゃん』と囁くオプションも人気で、たまに両方をお付けになる方もいらっしゃいます! その場合はまず『大好き』と何度か囁いた後に『お兄ちゃん』と何度か囁き、最後に『お兄ちゃん大好きだよ』と囁くパターンを延々と繰り返すことになります! ・・・・・・お客様オプションの方はお付けになりますか?」



―――――――――――――――――――

第2話も最後まで読んでいただきありがとうございます!


ここまでお読みになって、もしちょっとでも「なんかおもしろそう!」「これは期待できるかも!」と思っていただけましたら、以下のリンクから作品フォローして続けて読んでいただけるとめちゃくちゃうれしいです!


☆☆☆評価も作者の励みになりますので是非応援よろしくお願いします!


https://kakuyomu.jp/works/16817330655795975585


―――――――――――――――――――

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る