第6話
その後から桐谷さんとは、会わなかった。
いつもいる柱にいない日が続いた。
理由は、よく分からないけど、彼も忙しいのだろう
いつものような日常だった、しかし
上司:貴方が珍しいわね、貴方がまさか風邪なんて
「はい、申し訳ありません。(ガスガスの声)」
上司:今日は、しっかり休むことね。来週には、復帰出来そう?
「はい、大丈夫かと思います。」
こんな時まで仕事の話かよ。頭は、ガンガンするし、布団に入ってても寒い、あまり会話も入ってこない。
上司:そう、なら頼むわね。それと桐谷さんの会社とは、上手くいってるの?
これ以上喋らせないでくれと言える訳もなく
「はい、そちらの方は、ゲホッゴホッ」
上司:ハァ、また今度でいいわ。今は、休んでなさい、それじゃあ
ため息ついてる。冷たいな〜、まぁ、こんなもんか
「ゲホッゲホ、お疲れ様です。」
ピッ
「ア゛ア゛ア゛ア゛、ここまでやばいのは、久しぶりだ」
あまり風邪をひくタイプでは、なかったので久しぶりにしんどい。長引かないでくれと思いながら、さっき言われた事を思い出した。
「桐谷さん…最近会ってない」
少し前なら頻繁に会社同士で会議をして会っていたのと、あの柱の所によくいるから話してたな〜。まぁ、会社の繋がりで連絡は、するからいっか
「それに私には、関係ないかァ〜、よし、今日は、寝よ」
そう言ってあまり気にせず眠りについた。
「うーん、お腹〜すいたー、でも、頭痛い〜」
ふと起きて時計を見たら、お昼が過ぎていた。
食べ物と薬を探し求めて布団から出た。
薬は、見つかった。
しかし、冷蔵庫を開けたが、なにもなかった。
「…とりあえず梅干したべよ」
実家からの仕送りで貰った梅干しを食べてた。あぁ、おばあちゃんの味だ。うまい
「薬だけ飲んで買い物行くか」
流石になにもないと料理するにも困る。なら、買いに行かなければならない。
「飲み物と…ゼリーも食べたいな、今日作れそうかな〜」
薬を飲みなかなか回らない頭を回す。
メガネにマスク+コートを来て家を出た。遠目で見たら、不審者みたいかも知れないがしょうがない。風邪なのだから。
「…」
寒いと思いながらも変に大声に出したら、本当に変な人になる。買い物を無事済ませ、家へ帰還した。
薬が効いてきたのだろう
料理もちゃんと出来た。お腹も脹れて私の心は、達成感に満ちていたので、そのままもう一度眠りした。
次起きたのは、仕事の就業時間前だった。
「もー、まだ寝れるじゃん」
こう思いながら、飲み物を取りに布団から出たが、そんな時に何故か桐谷さんの事がよぎる。
「今日に限って桐谷さん来たら、めんどくさいな〜」
あれ?でももし私がいないって事知らなかったら?
いや、でも今日桐谷さんの所とミーティング…ないか、そういえば最近会議すら入ってない。
「…」
これで桐谷さんに風邪引かれると腹に収まらないな…
「なら行こ」
行って丁寧を断ろう
「そういえば、…」
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〔でも村瀬さんやったらヒールも似合いそうやん?〕
「行き帰りだけなのと距離があって歩くのでスニーカーにしてます。」
〔え〜、じゃあ、履かへんの?〕
「はい」
〔見てみたかったな〜〕
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「見てみたいって言ってたな〜」
こういう時しか履かないだろうから
履いていこうかな〜
そして、私は、ご飯を済ませた後、いつもよりメイクや服装を変え、敢えてヒールで家を出た。
家を出た時間は、だいたい退社時間だった。
その後、何故かいつも桐谷さんが居る柱のところで私は、待ってみた
「あ、でもこれ…来なかったら大恥だ」
そんなことを思いながら私は、薬を飲み込んだ。
気がついたら2時間たっていた
この辺りのお店も閉まり、人通りが少なくなった
「桐谷さんの連絡先、知ってればよかったかな」
なんて、仕事相手に何言ってんだと思いながら、夜空に目を向けた
「あぁ、今日は、綺麗だ…」
多分、こういう日の月を見てると夏目漱石の気持ちが分かった気がする
「…私は、熱大丈夫じゃん!」
そういいながらもホワホワしていたが、もう少し待ってみようと思った。
ふと腕時計を見ると日付を超えていた。
お母さんの怒りの声が聞こえてきそうだ
熱あるのになにしてるの!!と
夜風に当たったら余計風邪ひくでしょ?!って
あれ?これって私の家だけかな?
そんな事を考えていたけど、しんどくなり柱にもたれてしゃがんだ
「あ〜なんだよ〜…期待した私がバカじゃん…」
そう小さい声で言ったすると
○○:あの…大丈夫、ですか?
「…」
声がしたので顔を上げると
〔え?!あれ?!村瀬さん!?〕
「桐谷さん…なんで、ここに?」
〔それは、こっちのセリフや?!なんで?!こんな時間に〜…〕
と桐谷さんもしゃがんだ
「え?あー……夜空が綺麗だったので」
〔へぇー、村瀬さんってロマンチックやな〜〕
咄嗟の言い訳にしては、少し微妙だけど、とりあえず、話しを逸らそう
「それより桐谷さんは、どうしてここに?」
〔俺?出張でさっき帰ってきたんですよ、んで家こっちやから〕
「そうだったんですね。お疲れ様です。」
〔ありがとう〜あ、そうや、村瀬さんにお土産もありますよ〜〕
と思い出したかのように、紙袋をあさろうとしたので、
「あ、いえ、今は、大丈夫です」
〔なぁーんで〜〕
「それより帰られた方がいいのでは、?お疲れでしょう?」
これ以上は、まずい
〔でも村瀬さん、しゃがんでるで?〕
「私は、大丈夫なので(ゲホゲホッ」
〔え?なに〜風邪〜?大丈夫?〕
桐谷さんの手がこちらに来たが振り払う気力すらなかった
〔え?!あっつ!!村瀬さん、熱あるやん!〕
「そんなにですか?」
〔なんでこんなとこおったんや!悪化すんであんた!ほらはよ帰んで!!〕
「すみません」
〔すみませんちゃうわ!ほら、しんどいかもしらんけど立って!!俺の家いくで!〕
〔いや、それは、大丈夫です、自宅に帰ります。〕
〔こんななってる病人放置しておけるか!アホ!〕
そう言うと私の手を引いて歩き始めた。
初めてアホって言われたかも
彼は、道中ずっと私の手を引いていた。
「薬は、飲みました」
〔薬飲んどる時点で風邪やないか!〕
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