第4話


移動して本命のお店へ


〔ここは?〕


「バスグッズショップです。隣にも雑貨店があるんです。」


〔え?お風呂グッズって事?!〕


「はい、しかもただのでは、ないです。」


桐谷さんは、バスボムが入った箱を見ている


「バスボムならだいたい大丈夫かと」


〔え?そうなん?!〕


「人にもよりますが、バスタイムが好きって方も多いイメージがあるので、後重くなり過ぎず軽くなり過ぎないのでいいかと」


〔なるほどな〜…へーどんな匂いがいいんかなー〕


「この香りとかどうですか?」


サンプルに置かれていた物を渡すようにすすめたが桐谷さんは、そのまま顔をサンプルに近づけた


「え、」


〔ん〜この匂いか〜…あとなんかおすすめなんある?〕


「あ、はい」


少しびっくりした。

この人、距離が近いな


「セットの方が色々な香りもあるのでいいかと思われます。」


〔なるほど…〕


と悩む仕草があったので、


「もしかしてご不満でしたか?」


〔あ、いやいや!そうじゃなくて〕


「ならなぜ悩まれてるのですか?」


〔え?悩んどった?!〕


「はい、もしかして、その同僚さんの事好きなんですか?」


〔ちゃうちゃう!あいつは、そーゆーんちゃうねん〕


「そうでしたか、勝手にその方の事好きなのかと」


〔ないない!あいつは、俺に基本冷たいから〕


「へー」


そう、笑わせそうとしてるのだろうけど、

相手がどう思ってるのかは、知りませんがね。


〔俺には、なかなか分からへんからちょっと不安やっただけやで〕


「と言いますと?」


〔俺があんまり長風呂得意ちゃうねんやから、こんなんで嬉しいんかな〜って〕


そう、困り顔をしていた。


「なるほど、そうでしたか」


〔あ、他にもあんの?〕


「あ、はい、かわいい感じのものとか匂いがいいものもありますね」


〔へー、村瀬さんは、こーゆーの使うん?〕


「はい、好きでよく使ってます。」


〔え?!そうなん?〕


「え?!ちょっと?!」


すると彼が先程より私に近づいて匂いを嗅いできた


「なっ、なにするんですか?!」


〔ごめん!どんなん使ってんねやろって気になって…でも村瀬さんいい匂いするなー〕


「そんな事いいんですよ!!ほら!違うなら隣のお店行きますよ」


〔え?!ちょっと待ってやぁ〜〕


褒められるのは、嬉しいが距離感を考えてほしい


隣の雑貨店へ


〔ここの雑貨は?〕


「アニマル雑貨と言いますか…動物を模した作品が多いので、そういうのいかがかなと思いまして」


〔ほほぅ…例えば?〕


「その方をイメージした動物の物とかどうですか?」


〔えぇ〜どうなん?〕


「結構小さめの物もありますよ!」


〔…w〕


すると突然笑いだした桐谷さん


「え?なにか変なこと言いましたか?」


〔村瀬さんが来たかっただけちゃう?w〕


「なんでそう思われたんですか?」


〔ここに来てからイキイキしてんで? w〕


「え?私が?」


〔動物好きなん?〕


よく人の事見ているなぁ


「好きというか…小物を集めるのが好きでして…」


〔やっぱり好きなんやんw〕


「プレゼントでしたら、他のお店にもオススメありますよ?」


〔ならそっちも行ってみよかw〕


と何店舗か歩き周り、カフェで休憩する事に


〔いや〜ほんまに今日は、ありがとうな〕


「いいえ、手伝うと言ったので、後は、桐谷さんで決めて下さい」


〔えーなんで〜、一緒に決めよ〜やぁー 〕


「私が一緒だとその方が悲しみますよ」


〔なぁ〜んで〜〕


「桐谷さんから貰うのが嬉しいんですよ」


〔そんなもんか?〕


「そういうのが乙女心です」


ちょっと訳が分からないという顔をした後、嬉しそうな表情に変わった


〔まぁ、ええっか〕


「なら自分も満足です」


〔今日は、村瀬さんの知らへんかった事まで知れたわ〜〕


「……え?」


〔俺は、それが嬉しいわ〜〕


仔犬みたいに笑うので、桐谷さんもこんな表情するんだと自分もびっくりした


「手伝い出来たなら幸いです。」


〔もーええ加減硬いで〜〕


「いえ、仕事相手なので」


〔ここまで仲良くなったんやからええやん〕


「今後とも、仕事でよろしくお願いします。」


〔えええええ〕




そら、そうでしょ?別会社なんだから

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