異世界にテンプレで死亡し転生した俺は、最前線で英雄と称されて無双する! ~異世界フロントライン(ISEFRO)~

@12{アイニ}

プロローグ1 :ナイスショット

 砂塵さじんが舞う中、岩陰の奥にうっすらと人影が2つほど見える。


「――敵は・・・?」

「見えません」


「・・・分かった。はぁ、落ち着かない」


 マウントレールにドットサイトと赤色の光線を使用するMIP製5mWミリワットレーザー機器を付け銃口マズル消音器サプレッサー、アンダーレールに銃の反動を抑えるためのバーティカル・フォアグリップを取り付けたHK416を装備している青年はエルデイル・ナディアで、隣で近代化改修を施したM14EBRの銃床ストックを地面に着け双眼鏡で周囲を伺っている少女が狙撃部隊第3班のセミオート・スナイパー――イリア・フォン・メディスだ。


「む? 方位012マルヒトフタ砂塵さじん確認。・・・ッ!敵です!」


 少女がM14EBRを即座に手に取り、岩陰から銃口マズルと8倍率から6倍率に変更した可変倍率照準器スコープ、頭部だけを覗かせて反射対策を施したスコープを右目で覗いた。


 そして、7,62ミリ×51NATO弾が20発入っている弾倉マガジンを差し込み薬室チャンパー部分を、右手の平で強く叩きながら照準を合わせて引金トリガーに人差し指を掛け俺の合図を待ち始めた。


「目標をマーク、撃て」


「・・・見えた」


 俺は照準機能が付いている双眼鏡で左から右へと砂塵さじんが舞って居る場所を照準しながら左へと追従していく。そして、イリアが発砲し3秒後に砂塵さじんが止まったので倍率を上げて戦果を見て見た。


「――目標命中ターゲット・ヒット


 俺の報告を聞いたイリアは誇らしげに岩陰に隠れた後、小声で「上手だった?」と聞いて来たので「ああ、ナイスショット」と言って右に居るイリアの方を向きながら右親指を立ててグッドサインをした。

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