転生したので青春謳歌してみる

ふぁふ

第1話 始まりの朝

ピピピピ ピピピピ ピピピピ


「もう朝か......。知ってる天井だ」


転生してから15年と少しが経った。それだけの時間があったなら何かあるだろうと思うかもしれないが、前世より少し友人が増えただけで特に変わったことは無かった。何か大きいことをしようと思ったこともあったが何も思いつかなかった。


「おはよう世界。今日も一日頑張るかぁ...」


そんなやる気のない声を出しながらまだうつらうつらしている目を覚ましに洗面所へ向かう。


妹?「おはよっ!お兄ちゃん!」

「ふぁ...おはよ、夏希。今日も元気でかわいいなぁ」

妹?「お兄ちゃんは今日も眠そうだね!」

「はは、まだ目が覚めてないだけだよ」

妹?「そんなお兄ちゃんもかっこいい...((ボソッ」

「なんか言った?」

妹?「なんでもないよ!!!」


そんな会話をしながら顔を洗う。


彼女は俺が転生して出来た従妹いとこ稲瀬夏希いなせなつき。世界に存在する中学生のなかで1番可愛いのではないだろうか。サラサラとしたピンクの髪。モデルのように引き締まったスタイル。天使のように、否、天使よりも可愛い素敵な笑顔。某元テニスプレイヤーにも負けない元気な性格。そして何より目元のホクロ!涙ホクロ!俺涙ホクロ大好き!!!はぁ、夏希みたいなガールフレンドが欲しい...。まぁ、そんな宇宙一可愛い彼女は俺の事を兄のように慕ってくれて、俺も彼女を妹のように可愛がっている。今は学校が休みでウチに遊びに来ている。


従妹よりも先に自分の自己紹介しろって?語っても面白い話も無い俺より妹の話をさせろ!俺なんか前世でコンビニで強盗に巻き込まれて死んで神様からチートもらったくらいしか話すことなんかねぇよ!


夏希「ところでお兄ちゃん」

「なんだ?」

夏希「彼女とか居ないの?」

「いるわけないだろ...」

夏希「現役高校生で優しくてイケボで文武両道で名前も銀冬真しろがねとうまって顔に負けないくらいイケメンなお兄ちゃんに寄ってくる女なんていくらでもいそうなのにいないの?それにあの時だって私を...」


俺の紹介ありがとう。なんか10割くらい盛られてるような気もするが褒められて悪い気はしない。でもお兄ちゃん、告白もされたことないんだ。周りからもジロジロ見られるし。


「ありがとう、でも俺に近寄ってくる奴なんて少ないしみんな俺の事嫌ってるんじゃないかな...はは」


自分で言っていて辛くなる


夏希「そんなことないよ!絶対!」

「そうかな?お世辞でも嬉しいよ、ありがとう」

夏希「そういうとこだよ...」

「?」


ピーンポーン


夏希と話しているとインターホンの音が鳴った。


?「冬真ぁ!学校行くぞぉ!」

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