霧雪の氷想紀
川之一
一章 フリゼルス雪山
1. 始まりの雪山
……冷気を感じる。
閉じていた目をゆっくりと開けた。
"フリゼルス雪山"の山腹にある山窟の中。
山窟の中は全て氷に包まれている。平な石を枕にして寝ていたようで、起きてから少し頭痛がしていた。山窟の入り口の方へと視線を向ける。入り口からは朝日が差し込んでいた。
「あっ、もう朝かぁ。寝過ぎた……今日は、誰かフリゼルス雪山に来てくれているかな。何か変化があると嬉しいんだけど」
地面から起き上がり、山窟の入り口へと歩き出す。
朝日が自分のショートヘアーの銀色の髪と黄金色の瞳を照らす。眩しさで目を細めながら銀世界の雪山を見渡していた。
……今日も誰も来ていないようだ。
一冊のこげ茶色のノートを山窟から持ち出す。かつて、フリゼルス雪山に登ろうとしていた登山家の忘れ物だったノートだ。どのページにも何も書かれていなかったので、今は勝手に自分の日記にしている。
ノートに"
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます