お昼過ぎ、スマホの通知でメンテが終わったことを知った僕はアプデをしてスカーレットオンラインの世界に戻った。

「ソータ、来たのかぁ」

「クレハ、砕けすぎじゃね？

まあいいけど。なんか友達みたいで」

クレハは、頬を赤らめていた。

え、ＡＩってこんなこともあるの。

「バカいってんじゃねぇよ、ほらマルスのとこいこうぜ」

クレハは、翅を羽ばたかせながら少し前を飛んで行った。

僕は、彼女の後ろをついていく。

今日は、凄いナビゲートしてくれるんだな。

森からマルスの家へとやってきた。

マルスは家の前で薪を作っていた。

「お、最近話題の旅人だか？」

「ナムラさんから紹介されてきました、たぶんその旅人です」

（チェインクエスト『樵の憂鬱』が開始されました。）

「オラからは伐採の手伝いをしてもらいたいだぁ」

「わかりました、いってきます」

「頼むだ」

僕は、森へ再び戻るのだった。

さて、伐採だぁ。

（伐採斧にウェポンシフトします。）

僕は、斧を振りかぶって木を切る。

スッコーンと音を鳴らして木が切れた。

スッコーン？

何この手ごたえ。

豆腐かなんかを包丁で切るかのような感触。

「うわ、ひくわぁ。ソータ、ひくわぁ」

「え？これ仕様じゃないの」

「普通は、数発叩かないと無理」

そう言われても、まあいいやドンドン伐採してやれ。

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