【3章完結!!】🍖お肉で始める最強ドラゴン無双🍖 ~ 異世界でハーレム生活を満喫する筈がドラゴンに転生したので、代わりにお肉ライフを満喫します@ヒロインが子作りをせがむ筋金入りのストーカーでした ~
ぞいや@4作品(■🦊🍓🌏挿絵あり)執筆中
【1章:転生編】
1話:異世界転生をさせてくれ!!
“異世界転生をさせてくれ!!”
俺は願った。
心の中で異世界転生を望んだのだ。
理由は勿論、チートスキルを手に入れて最強になり、可愛い女の子達とイチャイチャする為――ではない。
いや、勿論チートスキルが手に入ったら嬉しいし、可愛い女の子達とイチャイチャ出来たらより嬉しいけれど、そうじゃない。
それはあくまで副次的な願いであって、目下一番の目的は“二度目の死”を目の前にした、この状況から脱すること。
今、俺は溺れていた。
具体的には「川」で溺れていた。
溺れていた犬と、溺れていた幼女(勿論可愛い)を助ける為に、自ら冬の川に飛び込んで、それで溺れてしまった訳ではない。
普通に溺れているだけだ。
ちなみに俺が溺れているのは、死後の世界にある“三途の川”だったりする。
――――――――
――――
――
―
~ 俺が三途の川で溺れるほんの少し前の話 ~
ぶっちゃけ、既に俺は死んでいた。
三途の川で溺れる前から、俺は既に死んでいたのだ。
まぁ死んでいたからこそ、三途の川で溺れていた訳で……。
ちなみに、生前は何処にでもありそうな日本の田舎町で育った。
これまた何処にでもいそうな至って普通の学生で、体育館の前で「裸の女の子が見たい」と願いながら空に向かって祈祷したり、校舎の屋上で魔方陣を描いて「裸の女の子がみたい」と夜な夜な呪文を唱える、そんな何処にでもいそうな至って普通の学生だった。
――で。
そんな高校生活が2年目に入り、夏休みになって悲劇は起きる。
出掛け先で物凄いバスガス爆発に巻き込まれ、頭に走馬燈が過ぎる間もなく俺は死んだ。
本当に一瞬の出来事で、俺にはどうする事も出来なかった。
本当にバスガス爆発だったのか、それともガスバス爆発だったのかすらも明確ではない。
まぁそんな俺が死んだ時の話はどうでもいい。
いや、どうでもよくはないが、今更どうしようもないから仕方がない。
まだクリアしてないゲームもあったし、高校のクラスメイトで好きな女子に告白もしてなかったし、何ならう〇こも我慢してた時だったけれど、今更どうしようもないから別にいい。
問題はその後だ。
死んで魂となった俺は、
フワフワでモコモコでメルヘンチックな雲の道には、俺みたいな「死者の魂」が果てしない行列を作っている。
ちなみに魂の形は、「魂をイメージしてみて」って言ったら十中八九の人が思い浮かべるだろう、白い火の玉みたいな形のやつだ。
フヨフヨと浮いていて、先っちょがうにょうにょ動いているアレ。
近くの魂に話を聞くと、どうやらこの行列は“「天国行き」or「地獄行き」を決める順番待ち”の列らしい。
それがズラーっと長い長い長い長~い列を成している。
行列の先が見え無さ過ぎてヤバイ。
これだと一体、何時間待ちになる事やら……。
気になって更に話を聞くと、この行列に並んだまま10年以上待つとのことだった。
――アホか。
俺は呆れた。
何やら「天国行き」or「地獄行き」を決める係りの者が人手不足らしいが、そんなものは俺の知ったこっちゃあない。
今は魂の存在だから、飲まず食わずでも10年持つかも知れないが、だからといってこんな場所で10年もボーっと待ちたくない。
「何とかここから逃げれねぇのか?」
俺が訊くと、近くの魂は無理だと笑った。
顔は無いけど声が笑っていた。
既に自分でもわかってはいたが、魂の姿だと“自分の意思で動くことが出来ない”。
この雲の道:
魂の姿では“待つ”意外の選択肢しか無いらしい。
それでも俺は嫌だった。
10年以上もこんな道の上で待ちたくない。
何を隠そう、俺は待つのが大嫌いだ。
行列の出来る人気のラーメン店なんか絶対に行きたくないし、妹と一緒に夢の国ランドに行っても、並ぶのが嫌だから何のアトラクションにも乗らなかったら、妹にマジ切れされたくらい大嫌い。
だから俺は頑張った。
魂の姿でも何とか動けないかと、この際う〇こが出てもいいや、くらいの勢いで気合を入れて踏ん張った。
「動け動け」と念を送った。念を送り続けた。
念を送り続けて、1日が経った。
それから更にもう1日。
更にもう1日――そんな日を1年くらい過ごした。
そしたらだ。
ある日、魂の身体に足が生えた。
いやー、頑張れば案外出来るもんだな。
我ながら1年もよく頑張ったと思う
周りの魂達が唖然とする中、俺は生えてきた足を動かして
予想通りフワフワでモコモコな雲で、踏みしめる度に何だか心地よい。
女の子の肌くらい柔らかい……と思う。
ともあれ俺は雲の中を突き進んだ。
突如として、俺の魂の身体が雲を突き抜ける。
そして雲を突き抜けた先に「川」を発見。
見た瞬間、三途の川だと直感した。
というか、広い河原に「1級河川:三途の川」と書かれた看板が立っている。
この川が三途の川なのは間違いないだろう。
ただ、それがわかったからといって、既に川に落ちかけていた俺に何が出来る訳でもない。
結果、俺はものの見事に三途の川へと落ちてしまった。
■
――かくして、話は冒頭の溺れたところに戻る。
三途の川は予想以上に深く、魂の姿をした俺の足では立てない程。
足だけでは水の中でバランスを保てず、溺れるしかない。
しかも、魂の存在となっても、何故か水の中で息苦しい感じがある。
今は魂の姿なんだから、そこは良い感じに無視してくれても良かったのに、やっぱり人生は思う通りにいかないものだ。
(あぁ、俺はこのまま死ぬのだろうか……?)
そう思ってから、ふと気付く。
俺、既に死んでるよな?
そして更に思った。
1度の人生で2度も不本意な死を迎えるのなら、次こそは望んだ人生を歩ませて欲しいと。
そう、つまりは――。
“異世界転生をさせてくれ!!”
三途の川で溺れながら、俺は心の中で叫ぶ。
流行を通り越して、最早スタンダードにさえなっている異世界転生を望んだ。
いいじゃんちょっとくらい、神様のケチ。
とか思いながらよくある異世界転生を望んだのだ。
俺だってチートスキルを貰って無双して、可愛い女の子からモテモテになりたいんだよクソ野郎!!
いやクソ野郎は言い過ぎでした御免なさい神様、でもマジでお願い、とか思いながら異世界転生を望んだ。
そしたら――溺れる俺の目の前に、“斧”を手にした「スケスケ衣装の美女」が現れた。
――――――――――――――――
*あとがき
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