第二章
〜 とある町の塔の上にて 〜
「なあ笛」
「…………」
「笛!」
「……その笛と呼ぶのはやめてくれないか?」
「んだよ、別に良いじゃねぇか」
俺達は今塔の上にいる。
まー眺めもいいし標的がいたらすぐに分かるからな。
「んで、ここではどうなんだ笛?」
「……問題はないだろう」
「よし! じゃあとっとと始めようぜ!」
「待てジャックス、前に話していた女がいる可能性はないのか?」
「んー? いねぇと思うぜ」
「何故だ?」
「前にそいつがいた街を壊した時にその住民達はここじゃない別の町に移動したからだ」
「なるほど、それならばいないだろう」
「うし、じゃあ始めてくれ」
そう言って笛……『パイド・ハーメルン』は笛を吹き始めた。
「さぁーて俺も行くとするか」
近くの民家の屋根に飛び乗り、貫通して入るのだった。
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