22 両手持ち用の杖は新たなギルドへ行く
「マ、マーダァー?」
マーダの部屋の扉をノックする。
すると扉が開いて
「……何だ?」
少しムスっとしたマーダがいた。
「いやあのぉ〜、ミンジャー町への行き方教えてくんない?」
「マスターに聞け」
「今忙しいって……」
「はぁ〜……館の玄関にある扉を4回ノックすればミンジャー町の路地裏に繋がる」
「ありがと!」
「……どういたしまして」
よしゃ、行き方分かったしさっさと行こぉーっと。
なんか気まずいし。
そして玄関の扉の前に立ち
『コン コン コン コン』
と4回ノックして開ける。
「うおぉぉ」
路地裏だ。
めっちゃ路地裏だ。
「よしゃ! ミンジャー町の探検にでも行こぉー!」
そう言ってその路地裏を出た。
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冒険者ギルドに着き一言。
「長っが!!」
長い、長すぎる。
上に? 違う。
奥にだ。
奥に向かってとんでもない長さで続いてる。
20階建てのビルをそのまま横にした感じ。
なんでこんな長いん?
てかする必要なかっただろ。
そう思いつつ入る。
中はかなりの人がいて、横の壁の方にギルド嬢がいた。
まあそうしないとこのバカ長い通路の突き当たりまで歩かなきゃいけないからね。
いやぁでもマジでこれ腹が痛くてトイレに行きたい時に
「トイレは突き当たりを右です」
と言われたら絶望するレベルの長さだよなぁ。
ほんとなんでこんなに長くしたんだ?
まぁいいや、取り敢えずギルドミッションを受けるか。
なぁにがあるのかなぁー?
『ヴィラドの群れ討伐 討伐場所 フィラ草原 冒険者ランク:B』
『午後の間学校の教師 場所 ルルド魔法科高校 冒険者ランク:B』
『ドラゴンの巣の探索 探索場所 ガレッジ洞窟 冒険者ランク:S』
色んなのがあるなぁ。
てか懐かしいのもあるな!
ドラゴンの巣の探索ここにもあるのか!
つか学校の教師のギルドミッションもあんの?
……一回やってみたいかもしれない。
うーむ、何にするか。
………………教師で。
教師のギルドミッションを手に取りギルド嬢の元へと向かう。
「すみません、これ良いですか?」
「はい『午後の間学校の教師』ですね。分かりました、ではまずギルドカードを拝見いたします」
「どうぞ」
「えーと………………メルア様?」
え?
「本当にメルア様ですか?」
「そっ、そうですけど?」
そういやここに入る時にもなんかこんな事言われたなぁ。
何なんこれ。
「でっ、では早速、ルルド魔法科高校に向かって下さい」
「あっ、はい分かりました」
「おっ、お気をつけて」
「どうもぉー」
私なんか凄い裏で有名になってるとかある?
いや、ないな。
ここに来てからなんか凄い事やってないし。
取り敢えずルルド魔法科高校に向かうか。
【
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ルルド魔法科高校に着いて、取り敢えず校長に会う事にした。
「校長室はぁー」
地図を見てそう
「あった」
一階の東側……か。
よし、向かおう。
結構綺麗な内装だ。
生徒達はいなかったが、多分食堂にいる。
ちょうどお昼時だしね。
そしてドアをノックする。
「どうぞ」
と声が聞こえたので入る。
「失礼します」
「おや? どちら様かな?」
顔では平然としているが今校長がいつでも戦闘が始まっても大丈夫な姿勢になったのが分かった。
流石校長先生、凄いね。
「えーと、ギルドミッションで来ました」
「あぁ、そうでしたか。どうぞお座り下さい、今お茶をお出しいたします」
そう言って校長先生はお茶を入れて持って来た。
「失礼だと思いますが、冒険者ランクをお聞きしても?」
「Sです」
「!? Sですか!?」
「はい」
Sってそんなに凄いものなの?
「いやぁまさか冒険者ランクSの方が授業をして下さるとは……」
「冒険者ランクSって凄いんですか?」
「もちろん凄いですとも。しかし魔法使いの冒険者ランクSというのは本当に珍しいものでして」
へぇー、魔法使いのSって珍しいんだ。
気にした事無かったけど確かにあんまり魔法使いっていないな。
「あっ、忘れていました、私の名前は『ルルド・ヴァーレ』と申します。貴方のお名前はなんです?」
「メルア・ヴォン・スフェールドと言います」
「…………メルア様ですか?」
「えっ、まあ……はい」
だぁーかぁーらぁー!
そのメルア〝様〟って何だよぉー!
「あの……何で様付け何ですか?」
ずっと聞きたかった事を聞いてみた。
「おや? ご存知無いのですか? オウレオ街に攻め込まんとするツリーウルフの大群をたった一人で退けたという話で今この町は貴方様を
なんか凄い事になってたぁぁぁぁぁ!!
え? 私を神聖視?
ツリーウルフの大群を退けただけで?
うっそーん。
「へっ、へぇー、そうなんですね」
「いやぁー生徒達が非常に羨ましい。メルア様に魔法をご教授して頂けるなんて……貴方のファンが聞いたら
もうそれどんなマイ◯ル・ジャ◯ソン?
怖いよ私。
その時、ベルが鳴った。
「おや、昼食の時間が終わった様ですな。ではメルア様、授業を頼みましたぞ」
ここで私気づく
授業内容どうしよう。
特に考えてなかった。
やっべぇー何にしようかなぁー。
…………よし、生徒達の魔法を見せてもらってその後私の魔法を少し見せて終わりにしよう。
生徒の魔法を見るだけでもかなり時間はいるでしょ。
「どうかされましたかな?」
「いっ、いえ、大丈夫です」
そう言って校長先生にとあるクラスの前に案内された。
「ここはこの学校の中でもとても優秀な生徒が集まっている場所です。うちの生徒が貴方の知識や力についていけるところはどこか考えた結果ここだと判断しました。では少々お待ち下さい」
そう言って校長先生はノックをして教室の中に入り、生徒に何かを話している。
てか私本当に凄い神聖視されてるんだな。
マジで驚きだわ。
でも私そんな知識とか無いんだけどねぇ。
「どうぞお入り下さい」
校長先生はそう言って扉を開いた。
「しっ、失礼します」
そう言ってめちゃくちゃ緊張しながら入るのであった。
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