『直し屋』は黒ずくめの男を拾う
内藤晴人
始まりの唄
「彼は泣いているようだ」
声ともつかない音声の重なりが告げる。
「彼は過ちを償いたいようだ」
先ほどとは異なる響きがそれに答える。
「彼を行かせるべきだろうか」
始めの響きが呟く。
「彼女は思い出すだろうか」
再び、もう一つの響きが答える。
「定めであれば、思い出すだろう」
「定めであれば、出会うのだろうか」
沈黙が流れる。
「すべては『神』のみぞ知るところ……」
決断はこの時下された。
黒髪の堕天使が、再び解き放たれた。
✳
かつて、人はこの
陸上はもとより、海や空までも。
しかし、今や人は支配者の地位を追われた。
新大陸の軍が秘密裏に産み出した人工生命対『ミリオン』が反乱を起こし、人に成り代わりこの惑星の支配者の地位についた。
被支配者となった人は、ミリオンの監視の元あらゆる文明の利器を手放すこととなる。
これは、そんな世界の片隅で起きた、ささやかな出会いと別れの物語……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます