【上宮ちさと視点】しょっぱくあまく
屋上に来たが少し風が強くちょっと怖い。澤本くんはまるでいつも来ているかのようにベンチに座る、ここが自分の定位置とばかりに。
澤本くんはベンチの隣を叩いて私に座るように言った。
「ご飯食べようか」
そう言って澤本くんはお弁当の蓋を開けた。中にはおかずが綺麗に入れられている。
これ澤本くんが作ったのかな?少しだけ卵焼きが崩れていた。
「これって澤本くんが作ったの?美味しそうだね!」
と沖川が私の言葉を代弁した。沖川の言う通り美味しそうだ。・・・一口貰えないかな?
「「「いただきます」」」
「ねえねえ!一口頂戴!」
「・・・やだ」
「ぶー!ケチ!」
「・・・わかったよ・・・ほら」
「わーい!ありがとー!あー・・・ん!うん!ちさとのお弁当の味がするね!」
「でしょうね」
沖川といつも食べるとおかず交換会が始まる。今日はハンバーグをあげたが彼女からのお返しは何が来るのだろうか?まずお返しが来るのだろうか?
「ふふん!お返しはこれだよ!」
パセリ?
「沖川さん・・・」
沖川・・・流石にそれはないでしょ・・・ハンバーグがパセリになった。私の顔は今どんな感じなのだろうか?
「上宮さん、卵焼きあげるよ・・・」
「あ、うん、ありがとう・・・」
代わりに澤本くんから卵焼きをもらった。一口パクっとくちに入れるといつも食べているものよりもしょっぱかった。
「澤本くんの卵焼きは何を入れてるの?」
「だしの素と塩だよ。あ、もしかしてしょっぱかった?ごめんね」
卵焼きは甘い物だけだと思っていたけどしょっぱくてもとっても美味しい。
「あー!ちさとだけずるい!」
「あなたは一生パセリでも食べてなさい」
ーーーーー
教室に戻るとクラスメイトに呼ばれた。
「上宮さんにお客さんだよ」
「お客?」
「あー、いつものあれか」
今日も来たんだ・・・はあ・・・めんどくさい。
「上宮さん、大切な話があるので空き教室に来てほしいです」
告白だろうな。私にはもう心に決めた
廊下を歩いていると皆は端に寄って道を作り出した。なんかお姫様が通るみたいでなんか嫌だな。私はお姫様じゃなくてただの生徒そして澤本くんの彼女(予定)なの。でもせっかく寄ってもらえたんだから通させてもらおう。
一応ノックはしておこう
「上宮です」
「どうぞ」
まるでこれから面接会場に入るみたいだ。ちょっと緊張してきた・・・
「来てくれてありがとう上宮さん」
彼は頭を下げてそんなことを言ってくる。私もそれに連れて頭を下げる。
「ここに呼び出したのはわかってるよね?」
「うん、告白だよね?」
彼はうんと頭を縦に振った。彼は深呼吸をして息を整えて気合を入れている。
「単刀直入に言うけど好きだ!上宮ちさとさん!」
「・・・ごめんなさい」
「それはなんで?」
「好きなひとがいるの。その人は優しくて可愛くてかっこよくて動揺しているところもあたふたしているところも真剣になるととってもかっこよくなるところも監禁したいくらいその人のことが好きなの」
「・・・そ、そうなんだ。それは勝てないね」
私は澤本くんのことがずっと前から好きだった。あのストーカーから助けてもらったときよりもこの気持は燃えて燃えて器から零れ落ちそうなくらいに高まっている。
「それで?その好きな人には告白するの?」
「・・・うん」
「そっか・・・頑張ってね俺応援してるから」
決戦の日は刻一刻と迫っているのだろう。
あ と が き
作者です。何を書けばいいのかよくわかりませんがとりあえず書いてみましたがどうでしょうか?最後によろしければ応援や☆もよろしくおねがいします。
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