隣の聖女様は俺のことをちら見してくるが俺はなにかしてしまったのだろうか?

御霊

隣の聖女様

俺、澤本蓮には悩みがあった。


「・・・じーー」


隣人がガン見されてる気がするのだ。彼女は上宮かんみやちさと、この学園で一番人気の女子でみんなから聖女様と呼ばれている。そのあだ名の通り容姿端麗、文武両道であり、皆から慕われている、ラブコメにいそうなヒロインランキング一位だ(俺評価)


俺は最近彼女に対してなにかしてしまったかと少し怯えている。だって彼女はずっと俺のことを見ているのだ。授業中でも彼女はノートをまとめたらすぐにこちらを向いてくる。俺じゃなくて黒板を見てくれ。


そんなにガン見してくるので試しに話してみた。


「おはよう上宮さん」


「・・・ん」


・・・会話が途切れてしまった。だが俺はめげずに話しかける。


「今日は宿題あったよね?上宮さんは終わってるの?」


「・・・うん」


どうせえばええちゅうねん。言葉のキャッチボールで俺がボール投げて上宮さんがキャッチしてくれずにぼーっとしてる図がイメージできた。


彼女はやはり俺のことを見ている気がする。ほんとに怖い・・・俺は上宮さんになにかしたか思い返してみた。


ーーーーー


今日は席替えで窓側の隅っこになった。これで堂々と寝れるな!隣は上宮さんだが、上宮さんはだれでも仲良くしていたから、話したら仲良くなれるかも。


「よろしくね上宮さん」


「ん」


・・・どうしようこれから。


上宮さんに挨拶してみると『ん』だけで返された。俺のときだけ反応違くない?もしかして俺なにかやったかな・・・?これから上手くやっていけるかわからなくなってきた・・・


ある日の授業中に上宮さんは教科書を忘れたらしい。貸したほうがいいかな・・・?

でも俺の見るのは嫌かもしれない・・・それでも俺は彼女に聞いてみた。


「教科書一緒に見る?」


「・・・ん」


真顔をしながらもうなずく上宮さん。何を考えているか読み取れなかった。


「それじゃあはいどうぞ」


「ん・・・?」


上宮さんが口を開けてポカーンとしている。・・・もしかして俺の教科書に落書きがあったからびっくりしてるのかな?ごめん上宮さん後で消しておくね。


「こっち・・・」


「え?」


「澤本くんも見えないじゃん」


彼女は突然俺の席に席をくっつけてきた。


「あ・・ごめん・・・」


「うん・・・ありがと・・・」


やっと言葉のキャッチボールが成立した気がする。やっと会話ができると思って上宮さんに話しかけてみると・・・


「これってこの公式であってる?」


「ん・・・」


もとに戻ってしまったのである。やっとボールが帰ってきて投げてみたら素通りされた気分になった。もしかして俺が原因なのだろうか?


今日は体育がある日だった。


俺は更衣室で制服から体操着に着替えて次の時間に備える。今日の時間はバレーボールと卓球で分かれて授業をする。俺は卓球を選ぶつもりだ。楽だしバレーは苦手だったから。


「今日はチームを決めてチームで決めた練習メニューをこなすように!」


俺はどこにしようかな?適当に入れてもらおう。俺が一人余っていそうなところを見つけてそこに向かおうとすると上宮さんが立ちふさがった。


「上宮さんどうしたの?」


「・・・・ん」


彼女はなにか言いたげにもじもじしている。あれは彼女の友達?すみに隠れて笑顔でこっちを見ている。なにこれ?監視されてる?


「澤本くんはチーム決まってる・・・?」


「決まって無くて今どこかに入らせてもらおうか悩んでる」


彼女の友達は彼女にエールを送ってるように見えた。上宮さんは口をモゴモゴしている。


「・・・私の、班に来ない・・・?」


「え・・・?」


まさか彼女から誘ってくれるなんて・・・涙でてきた。ずっと頑張って話しかけてよかった。うんうん


「でも上宮さんの班って誰がいるの?」


「私と友達」


「お言葉に甘えて入らせてくれないかな?」


「・・・ん」


周りの男子からの視線が俺の方に向いている。その視線はいつも上宮さんが向けてくれるものとは違いにらまれたり、嫉妬の目を向けられた。


あ と が き

作者です。なんでもいいから聖女って言葉を使いたくなり書いてみました。

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