Re:兵器という名の帰宅困難者
まめでんきゅう–ねこ
第1話 対地上制圧兵器
「ウォーリーを前線Nに派遣します」
卵型の機械に乗り込み、息を整えるウォーリー、これから、戦場に行くのだ。
「発射」
ズドォォォォォン
卵型の機械は勢いよく飛び、前線Nに向かう。
何故戦争しているのか、それは、ある2人の博士が原因だった。
「バカもの!宿題は7月中に終わらせるものだろ!」
「は?お前馬鹿か?宿題はなぁ、最終日に終わらせるものなんだよ!!!!!!」
それがだんだんエスカレートしていき、今に至る。
2人は戦闘用ロボットを大量生産し、それぞれY軍(山田大輔)、M軍(源康太)に分かれて、戦争しているのだ。今のところ、M軍が優勢だ。
ウォーリーはM軍で、しかも対地上制圧兵器という、陸戦に特化したY軍に有利なロボットなのだ。
ウォーリーの体は、頭部の画面に写っている赤い一つ目、逆三角形の胴体から分離した手で構成されている。足はなく、常に浮遊している。
「部屋の鍵は閉めた…、電気も消した…、大丈夫だよなあ…」
しかも前線Nはウォーリーのデビュー戦。負けるわけにはいかない。製作費がなんと3億円と、高すぎるため、良い戦果を出さなければならないのだ。
…5分後、ウォーリーは前線Nに着いた。浮かび上がると、様子を見た。
「うーん、よくわからんけど、まあ適当に攻撃してれば勝手にやられるだろ」
そう思い、赤い一つ目からビームを撃った。ビームは敵を追尾し、適当に撃ったその1発が、近くにいたロボットを貫いた。
ズキューーーーーーーーン
ウォーリーの存在に気づいた敵のロボットたちは、銃口や刃先を向ける。
「ふーん、みんな!俺が全員壊してやるから下がってなよ!」
ウォーリーは仲間のロボットたちを退けさせると、手から鋭利な刃物を出した。
その直後、彼は一瞬で間合いを詰めて、敵を切り刻んだ。
仲間のロボットたちが拍手すると、敵は一斉に銃を撃った。
ウォーリーの体は弾丸を受け付けず、少しも傷がついてない。
「あれ〜?こんなもんなの?」
ウォーリーは笑いながら、ビームを撃ちまくった。
敵のロボットたちは逃げたが、追尾することに気づかず、全員やられた。
「流石ですウォーリー様!よ!対地上制圧兵器!」
「いやぁ、それほどでも」
「敵の応援が来ました!」
「大丈夫大丈夫」
ウォーリーの手はカノン砲と化すと、爆発する弾を発射した。
ズドォォォォォンズドォォォォォン
今の2発でほとんどのロボットは大破したが、少数が瓦礫の影に隠れるのを見ると、ウォーリーの肩から、円柱形の下に針がついた小型のロボットが出てきた。
小型のロボットは、瓦礫の近くに来ると、針から電流を発射した。
ズドォォォォォン
瓦礫の影からは壊れたロボットの残骸が出てきた。
「フフフ」
「敵の応援はレーダーによると、約10分後に来るようです」
「OK。休憩しよっ」
ウォーリーは腰を下ろした。自分が英雄だと思い、ニヤニヤしながら。
「あーあ、機生勝ち組だ〜。今日の夜ご飯はグラタンにしようかなぁ」
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